復興まちづくり情報

第二節 災害対策

目次

  1. (一) 救援写真
  2. (二)、緊急対策
  3. (三)、災害救助救援活動
  4. (四)、当時の記録から
  5. 1、役場当直日誌
  6. 2、学校当直日誌
  7. (五)、新聞報道から――救助、救援活動の状況
  8. (六)、町議会関係文書
  9. (七)、広報「やまだ」にみる復旧状況
  10. (八)、チリ地震津波災害復旧対策決算
  11. (九)、広報「やまだ」―津波対策あれから一年

(一) 救援写真

陸上自衛隊災害派遣隊が山田小学校へ到着した写真

陸上自衛隊災害派遣隊到着(山田小学校)

陸上自衛隊が救助について指示、伝達している写真

救助について指示、伝達

「災害お見舞申し上げます」の心づかいのまくがはられてあるジープの写真

ジープには「災害お見舞申し上げます」の心づかいのまくがはられてある

織笠にて路上の障害物除去作業を行う隊員の写真

路上の障害物除去作業を行う隊員(織笠)

倒壊家屋の除去作業する隊員の写真

倒壊家屋の除去作業する隊員

機械力で大きな障害物を除去する隊員の写真

機械力で大きな障害物を除去する隊員

応急護岸工事をする隊員の写真

応急護岸工事をする隊員

機械力で護岸の整地する隊員の写真

機械力で護岸の整地する隊員

護岸用の土のうをつくっている隊員の写真

護岸用の土のうをつくっている隊員。(大沢、袴田)

応急護岸を築く隊員の写真

応急護岸を築く隊員

給水活動を行う隊員の写真

給水活動を行う隊員

防疫のため薬剤散布を行う地区民の写真

防疫のため薬剤散布を行う地区民(織笠)

救援物資の受付配分を行う役場職員の写真

救援物資の受付配分を行う役場職員

救援物資を荷積する役場職員の写真

救援物資を荷積する役場職員

あとかたづけをする人々の写真

あとかたづけをする人々(織笠)

自宅にもどる人々の写真

自宅にもどる人々(織笠)

救援物資を荷積みする役場職員の写真

救援物資を荷積みする役場職員

(二)、緊急対策

五月二十四日午前四時、町では災害救助隊山田分隊を設置し、本部員を召集し分担に従って活動を開始している。

午前七時四十五分に有線通信故障のため大釜崎ロラン局―茨城県波崎局―銚子海上保安部―横浜海上保安部―東京海上保安部―塩釜海上保安部―宮城県警察本部―岩手県警察本部―県庁の中継で救援要請を県知事宛に打電している。

「午前六時現在大津波三回目、被害人家全壊、流失一五〇戸、死傷者一名、非住家全壊流失七〇戸、漁業施設全滅、緊急救援を頼む」

この電文は三十六分後県庁で受信されている。以後有線通信が復旧するまで二報、三報とロラン局発信で被害状況報告と要請が行われている。

津波が落ち着いて羅災者は早速避難所の裏山から、学校から、親戚の家から我が家に(我が家の跡に)もどり、親戚の人々の応援を得て後始末に取りかかった。

商店、会社では従業員が、組合では組合員が、それぞれ総出で跡片付作業を始めた。道路や大きな障害物の除去、護岸の応急作業、橋梁の応急作業には消防団員が出動し大活躍した。

二十五日には陸上自衛隊(岩手駐屯部隊第九特科連隊第二大隊)一五五名が要請で来町し、消防団員と共に目覚しい救援活動を行った。また、他署から三十二名の警察官が来町し、警備活動に万全を期している。

日赤、医療局から医師、看護婦、宮古保健所からは所員が来町し、防疫活動を開始した。

宮古、釜石のバキュームが町の要請でし尿処理を行っているし、毎日のように残材の収集、運搬がなされ焼却が行われた。

鉄道、電報、電話、電力、道路決壊の復旧作業も懸命に行われた。

災害救助法の発動による炊き出しが行われ、食糧品、衣料品等の救援物資、義捐品がヘリコプター、トラック等で毎日のように町に届けられ、救援物資は山田小学校の講堂の天井までとどくほどあったという。その整理、配分に夜遅くまで役場職員があたった。

午後一時には議会全員協議会が召集され対応策が協議された。

流失、全壊、半壊、床上浸水等の被災者には収容施設として学校が開放され、延二、五〇〇人の人たちが収容された。

(三)、災害救助救援活動

町当局

五月二十四日午前四時災害救助隊山田分隊設置、本部員を召集、各部の役割分担を確認し、活動体制を整え、一部活動を開始した。

衛生部救護班

救護班は災害発生とともに医師、看護婦により、救護班を編成し被災地を巡回した。

消防部

警報、広報、誘導活動のあと、消防部は消防団副団長佐々木英一氏指揮のもとに朝まで警戒体制をとり、二十四日二十五日は毎日団員三六〇名が出動し、道路の復旧倒壊家屋の整理、護岸の応急修理船舶の引上げ、橋梁応急作業、罹災者に対する物資の配給及び清掃に従事した。

二十六日から三十一日までは連日団員六〇名が出動し、主として障害物の除去及び清掃作業など自衛隊員とともに活動した。

公安部(山田警部派出所)

地区民誘導のあと警備にあたった。

宮古警察署は山田町に刑事課長伊藤警部を派遣して常駐させ警備活動を宰領させ、自署員、及び紫波署派遣の警備部隊八名ならびにパトロールカー岩手五号を増派し、昼夜の別なく複数以上のパトロールを継続し民心の安定を期している。更に岩手署員一六名、二戸署員一六名を派遣し、第一次応援部隊と重複配置して活動させ、責任区域内の警備活動方法をよく判らせてから第一次応援部隊の派遣を解除し活動に間隙を生じないように部隊の運用を図った。

宝来橋北端の路盤決壊のための通行禁止、町内二ケ所に警察官一五名を配置し、交通規制ならびに指導取締を実施し、交通の円滑化を図った。(二十四日~三十一日)

また、交通規制の表示を町内三ケ所に掲示し、白バイ二台により宮古市内、宮古~山田間の取締を実施した。宮古署管内(山田を含む)で延一、一七七名の警察官が二十四日~六月八日まで警備活動にあたった。

また、応急住宅用建材料緊急輸送について、県対策本部から協力要請があり、応急施策が円滑に進捗するよう超過積載許可上の留意事項や事故防止対策等について六月二日各警察署長に対し指示している。

警察通信活動(非常通信の発動)

二十四日四時四〇分山田町の有線電話は全く杜絶し、被害状況の把握ができず憂慮される状況となったので、応急無線班を編成し無線機、その他所要器材を急派した。

山田班は道路の決壊個所などに悩まされ、冠水地帯を渡り、あるいは迂廻する等悪条件を克服し、二十四日一八時山田町に到着し、直ちに町役場前に開設し、同日一九時二五分から非常通信の取扱いを開始した。取り扱った発受信は三六件に達した。

自衛隊の活動

航空自衛隊が先ずかけつけ、要請を受けて二十五日には岩手駐屯部隊第九特科連隊第二大隊の先遣隊六十一名が来町し、以後一七九名増員され、六月一日には衛生隊が加わり(衛生隊は六日まで)二十四日より六月二日まで要員延一、四二一人が応援、復旧並びに防疫活動を行った。作業内容は次の通りである。

自衛隊の作業内容の表
月日 航空自衛隊(人) 第九特科連隊第二大隊(人) 作業内容
五・二四     各被災地の跡片付作業
二五 二三 六一 釜谷洞、柳沢、細浦地区国道応急作業及跡片付作業
二六 ブル一
一五
二四〇 釜谷洞、織笠地区の家屋移転及び跡片付作業
柳沢、細浦国道応急作業
二七 ブル一
一二
二四〇 各被災地の跡片付及び柳沢、細浦、大沢護岸の応急作業
二八 ブル一 二〇〇 大沢護岸、釜谷洞護岸応急作業及船舶引上整理作業
二九   二〇〇 右同及家屋、船舶整理作業
三〇 ブル一 二〇〇 浦の浜、織笠堤防応急作業
各被災地の跡片付作業、大浦地区橋梁応急作業
三一   一四〇 織笠、釜谷洞堤防応急作業、船舶引上整理及び跡片付作業
六・一 ブル一 一四〇 織笠地区跡片付及び船舶引上整理作業
  機械整備につき休  
  朝七時帰隊  
ブル五
五〇
一、四二一  

患者の診療衛生対策

県災害対策本部から日赤救護班二班、医療局救護班五班、(医師一一名、看護婦二〇名)が派遣され二十四日から六月一日まで患者の診療にあたった。

防疫活動

  • 被災地の井戸消毒延一六七ケ所が主として保健所及び保健婦によって行われた。
  • 被災地域の屋内消毒が伝染病予防法に基き、クレゾール消毒、石灰及び殺虫剤散布などの方法によって保健所員、保健婦、自衛隊衛生隊員(六月一日~六月六日)山田高等学校生徒、青年会、婦人会の手によって行われた。従事延人数一四五名、日数七日間、赤痢罹患者数十七名。

水道復旧事業

薬剤散布

水道復旧事業にて散布した薬品内訳表
薬品名 数量
クレゾール 四六二本(五〇〇g入)
消石灰 七五五袋(二〇kg入)
生石灰 六缶(二〇kg入)
オーヤラックス(漂白粉) 二斗
DDT2種混合粉剤 一〇缶
DDT3種混合油剤 六二缶
DDVT 三缶

清掃事業

し尿処理は宮古衛生社一台四日間、釜石市役所(衛生社を含む)二台三日間、バキュームカー延三六台がピストン活動をした。

塵介処理

塵介、収集・及び焼却のためトラック延一五台がピストン活動を行った。

電力部

トランス、電線、架線金具、電柱など配電線の被害復旧に当り、停電の早期解消につとめた。五月二十四日~二十六日山田、宮古合わせて延出動人員三七六人、延車輛六八台であった。

鉄道運輸部

山田線の磯鶏―豊間根。吉里吉里―大槌間が不通のためバスによる輸送を実施した。

山田線吉里吉里―大槌間は二十四日夜六時四十分開通、宮古―豊間根間一、七キロは十一日ぶりの六月三日午前十一時十七分開通、宮古釜石間の運行が正常にもどった。

被害個所はレールがアメのように曲がり、路床が押し流されて新設線以上の難工事であったが、一日百五十人、延べ千六百五十人が動員され、現場にテントを張って昼夜兼行の突貫工事が行われた。

なお、救援物資輸送のため宮古―山田五台、盛岡―大槌経由山田一台計六台のトラック借上げ輸送が行われている。

収容施設の状況

全壊、流失、床上浸水などの罹災者に次の施設を開放し収容した。(五月二十四日~六月二日まで延人員は二五二九人)

収容施設の状況表
開設場所 開設日数 延人数 実人数 実世帯数
山田小学校 一〇 六〇五 一二四 二九
織笠小学校 一〇 一、〇〇三 一〇八 二三
織笠中学校 一〇 八六二 一〇九 二六
大沢公民館 五九

炊出し、その他食品の給与及び飲料水の供給

炊出し、その他、食品の給与は避難所に収容された罹災者、床上浸水以上の被害で炊事等不可能な罹災者に給与し、飲料水は自衛隊の給水車を利用して給水を行った。

炊き出しには地元婦人会、豊間根婦人会の協力があった。

  • 炊出しの給与を受けた人数
    五、六七八人、六日間で延人数一四、四六四人であった。(米二四一俵、みそ一、三八六kg、しょう油一九八升)
  • 被服寝具その他生活必需品の給与
被服寝具その他生活必需品の給与の表
数量 全壊流失分 半壊床上分 給与年月日 備考
毛布外
二八、六七九
七、四六二 二、一二一 三五、六、一〇 全壊八八、流失は四八、半壊二一〇、床上九一一

応急仮設住宅

応急仮設住宅を四三戸建設し入居者の選考については民生委員協議会の意見を聞いて決定した。

着工三十五年六月七日

完成三十五年七月六日

住宅の応急修理

応急修理住宅四二戸を対象に実施した。

修理完成年月日三十五年七月七日

生業資金の貸与

全壊、流失の被害を受けた人で生業の手段を失った人に一二、〇〇〇円を三四名に対し四〇八、〇〇〇円の貸付を行った。

学用品の給与

県から義捐品と町の義捐品を合わせ左記の通り給与した。

学用品給与の対象児童数の表
数量 小学校 中学校 合計 給与年月日
全壊流失 半壊床上 全壊流失 半壊床上
ノート外
二三、九二八
八七人 九五八人 一、〇四五人 四〇人 三八一人 四二一人 一、四六六人 三五・五・二八
二、〇〇一 一四、三七〇 一六、三七一 一、〇八〇 六、四七七 七、五五七 二三、九二八
給与した文房具、通学用品の数の表
ノート 八、七二七
消ゴム 一、四六六
ナイフ 一、四五五
鉛筆 六、八八〇
音楽ノート(小学用) 八七
〃(中学用) 四〇
スケッチ・ブック 八七
下敷 五〇八
色鉛筆 一二七
筆入 一二七
画用紙 三、八三二
えのぐ 四〇
三角定規 四二一
分度器 四〇
英習字帳 四〇
えのぐ筆 四〇
二三、九二八点

各学校及保育所への配分調

各学校及保育所への配分調査表
学校別 区分 鉛筆 ノート カバン クレヨン 衣料 筆入 雑誌 辞書 物指
小学校 二〇、七八五 六、四二二 五、〇〇〇 三、〇〇〇 一、〇〇〇 三、〇〇〇 一、〇三七 六、四〇〇   八七 四六、七三一
中学校 七、一〇〇 五、八九四 一、〇〇〇 一、〇〇〇   二、〇〇〇 五〇〇 三、〇〇〇 二四〇 一〇四 二〇、八三八
高校 一、五〇〇 四〇〇   一五〇             二、〇五〇
保育所       二、〇〇〇 五〇〇 一、〇〇〇         三、五〇〇
二九、三八五 一二、七一六 六、〇〇〇 六、一五〇 一、五〇〇 六、〇〇〇 一、五三七 九、四〇〇 二四〇 一九一 七三、一一九
合計 二二〇八、六〇二点

義捐金品受付並びに配分

義捐金受付状況(三十五、七、十)

義捐金受付状況表
県扱 日赤扱 岩手日報
ラジオ岩手扱
社協、共募NHK扱
一〇、八五四、五七八円 一一、二六七、七八六円 六、〇〇三、八九九円 六、四七二、九三三円 三三、五九九、一九六円

山田町への配分は五、七〇〇、〇〇〇円。また、見舞金として山田町への配分は一、〇〇〇、〇〇〇円であった。

義捐品の山田町への配分

義捐品の山田町への配分表
品名 衣料 食料 医薬品 その他
数量 四、一六三梱 四三一梱 二九梱 五二九梱 四、八七五梱

県直接配分(山田町への配分)

県直接配分表
お年玉配分金による救護物資 CAC救護物資
品名 ボール 包丁 バケツ 小麦粉 衣類
数量 一三三梱 一三三梱 一、一七三梱 二六梱 一四梱

教科書の給与

教科書は左記のように配分給与された。

教科書の配分給与の内訳表
小学校 中学校 合計 給与年月日
全壊流失 半壊床上 全壊流失 半壊床上
六九人 七〇人 一四五人 三九人 九八人 一三七 二八二人 三五・六・一三
六〇四冊 六八九冊 一、二九三 五〇三 一、一四七 一、六五〇 二、九四三

商工対策

  • 金融対策

国民金融公庫からの融資額は

一二二件で三千八百七十六万円であった。

  • 復旧資材のあっせん

応急仮設住宅用トタン板 一、四九二枚

釘 六一〇kg

(市価の一割引)

困窮者住宅用トタン板 一、二〇四枚

釘 四三〇kg

(市価の四割引)

農林対策

  • 塩害除去対策 要除塩面積 一〇四、五ha
  • 資材の斡旋 種籾の供給 三九俵
    苗の供給 六〇〇、〇〇〇把
  • 種子の斡旋 大豆 一三俵
    小豆 一俵
  • 海岸保全対策
    浦の浜 堤防(四〇m)樋門、潮遊場決壊応急工事

所用資材

空俵 二、〇〇〇俵

縄 一五貫

木材 一〇石

所要人員 五〇〇人

大浦 排水樋門、潮遊場決壊応急工事

所要資材

空俵 一、五〇〇俵

縄 一二〇貫

木材 一〇石

所要人員 三五〇人

  • 応急仮設住宅用原木の供出
    四三戸
    四三〇石

土木対策

道路応急復旧工事一〇ケ所

住宅対策

応急仮設住宅 四三戸

応急仮設住宅修理 五五戸

災害公営住宅建設 六五戸

災害公営住宅修理 四六戸

災害復興住宅建設 二八戸

災害復興住宅融資希望 七〇戸

(住宅金融公庫)

災害復興住宅補修 三五戸

(住宅金融公庫)

災害救助物質購入調

災害救助物質購入調査表
品名 総額 単価 数量
毛布 七〇八、二〇三 八一二、一六円 八七二
三四八、二六〇 二二〇 一、五八三
婦人シャツ 五四、五三二 一五三、一八 三五六
バケツ 一二四、三五〇 五〇一 八二九
包丁 七一、二〇〇 一〇〇 七一二
手拭 三七、三二五 二五 一、四九三
ローソク 一〇、四二三 四、三七 二、三八五
六、八〇〇 八五〇
石けん 二四、六一二 一六、一六 一、五二三
地下たび 二〇、一〇〇 三八〇 六七
草履 三九〇 九七、五〇
タワシ 三、八七二 一一 三五二
ヒシャク 九、九〇〇 五〇 一九八
四七二、八〇〇 四八〇円 九八五
長袖シャツ 七二九、七三六 二五八、六八 二、八二一
半袖シャツ 二六四、五六四 一四九、八一 一、七六六
コンロ 一一八、〇八〇 一二〇 九八四
タオル 五五、三二六 七〇、八四 七八一
茶わん 一七、〇〇〇 二〇 八五〇
マッチ 一二、八二二 二、二一 五、八〇二
一、二七五 一、五〇 八五〇
三四、五六九 一九八、六七 一七四
サンダル 三、九七九 一七三 二三
シャモジ 四一、二〇二 四二 九八一
歯磨セット 四九、九六〇 四〇 一、二四九
焼アミ 一、八九〇 一〇 一八九
合計 三、二二二、九五〇   二八、六七八

災害救助物資配分調

災害救助物資配分調査表
品名 地区名 大沢 山田 織笠 船越 大浦
毛布 八六 三五七 三七七 四七 八七二
一四五 五六六 二一七 三三 二四 九八五
二一九 八六四 四一〇 五六 三四 一、五八三
長袖シャツ 三四六 一、五一四 七七四 一一五 七二 二、八二一
婦人シャツ 七三 二〇四 七一 三五六
半袖シャツ 一八二 八七五 五八五 八七 三七 一、七六六
バケツ 一二〇 四四八 二一二 二八 二一 八二九
コンロ 一三五 五五二 二四五 二八 二四 九八四
包丁 九一 三八四 一九六 二六 一五 七一二
タオル 一四 二三四 四五八 七五   七八一
手拭 二四二 九三〇 二二二 四三 五六 一、四九三
茶椀 二二 二五三 五〇四 七〇 八五〇
ローソク 三四〇 一、三六六 五三七 七六 六六 二、三八五
マッチ 九〇一 三、三六一 一、二一三 一七七 一四九 五、八〇一
二二 二五三 五〇四 七〇 八五〇
二二 二五三 五〇四 七一   八五〇
石けん 二四四 九四二 二二八 四八 六一 一、五二三
四八 一〇二 二一   一七四
地下たび 二五 三八   六七
サンダル 一一   二三
草履        
シャモジ 一四二 五六七 二二〇 二五 二七 九八一
タワシ 四二 一九七 八四 一九 一〇 三五二
歯磨セット 一八三 七三六 二五二 三八 四〇 一、二四九
ヒシャク 三三 一一五 三九 一九八
焼網 二六 八五 五九 一九   一八九
三、六三六 一五、一三四 八、〇六六 一、一八八 六五四 二八、六七八

チリ津波世帯員別配給数量調(流失)

チリ津波世帯員別配給数量調査表(流失)
世帯員別 区分 衣料品 食料品 日用品 雑品 世帯数 合計
一人世帯 一三四 二六 四〇 二〇九 八三六
二人〃 一五三 三二 四三 一四 二四二 九六八
三人〃 三三〇 三七 四四 四一九 二、五一四
四人〃 四三二 四五 四八 五三三 二、六六五
五人〃 四五一 六九三 五二八 一〇 一、六八二 一一 一八、五〇二
六人〃 四五八 五一 四八 一三 五七〇 二、二八〇
七人〃 五五四 六九 五四 一〇 六八七 五、四九六
八人〃 五五八 七二 四三 六八五 二、七四〇
九人〃              
十一人〃 六五三 八四 五三 一一 八〇一 一、六〇二
            三七、六〇三

チリ津波世帯員別配給数量調(全壊)

チリ津波世帯員別配給数量調査表(全壊)
世帯員別 区分 衣料品 食料品 日用品 雑品 世帯数 合計
一人世帯 一一九 二七 三八 一一 一九五 九七五
二人〃 一二一 三二 四一 一二 二〇六 一、八五四
三人〃 二五八 三七 四〇 一〇 三四五 一一 三、七九五
四人〃 三一九 三三 三二 一〇 三九四 二一 八、二七四
五人〃 三八〇 四八 四四 一三 四八五 一二 五、八二〇
六人〃 四〇〇 五五 四四 一三 五一二 一三 六、六五六
七人〃 四二八 六三 五二 一六 五五九 三、九一三
八人〃 五一〇 六七 六三 一四 六五四 三、九二三
九人〃 五〇二 七五 五一 一四 六四二 一、二八四
十一人〃 六〇四 八〇 五一 一六 七五一 一、五〇二
            三七、九九六

チリ津波世帯員別配給数量調(半壊)

チリ津波世帯員別配給数量調査表(半壊)
世帯員別 区分 衣料品 食料品 日用品 雑品 世帯数 合計
一人世帯 九八 二一 三四 一六〇 一一 一、七六〇
二人〃 一〇二 二五 三二 一六六 一七 二、八二二
三人〃 一九五 三二 三〇 二六四 三三 八、七一二
四人〃 二五八 三四 三五 三三四 一六 五、三四四
五人〃 二六四 四〇 三五 三四七 三七 一二、八三九
六人〃 二八六 四五 三七 三七六 三六 一三、五三六
七人〃 三五四 五〇 四六 四五八 二〇 九、一六〇
八人〃 三六一 四九 四九 一六 四七五 一六 七、六〇〇
九人〃 三四一 六七 四六 四六二 一三 六、〇〇六
一〇人以上 四五一 六七 四六 五七〇 二、二八〇
            七〇、〇五九

チリ津波世帯員別配給数量調(床上浸水)

チリ津波世帯員別配給数量調査表(床上浸水)
世帯員別 区分 衣料品 食料品 日用品 雑品 世帯数 合計
一人世帯 六〇 二一 一八 一〇六 三三 三、四九八
二人〃 六二 二四 一七 一一〇 八六 九、四六〇
三人〃 一一五 二三 二四 一六九 九二 一五、五四八
四人〃 二八三 三二 一九 三四一 一三八 四七、〇五八
五人〃 一九一 三六 一八 二五三 一四九 三七、六九七
六人〃 一九六 五二 一七 二六五 一一〇 三〇、八八八
七人〃 二七二 五七 二三 一〇 三五二 一〇〇 二五、二〇〇
八人〃 二九七 五三 二八 三八六 七六 二九、三三六
九人〃 三〇三 六八 二八 四〇七 五一 二四、三五七
一〇人以上 三七九 五八 三一 四七六 三一 一四、七五六
            二四七、七九八

各学校への義捐品配分調

各学校への義捐品配分調査表
学校別 区分 鉛筆 ノート クレヨン 衣料 筆入 雑誌 辞書 物指
小学校 二〇、七八五 六、四二二 五、〇〇〇 三、〇〇〇 一、〇〇〇 三、〇〇〇 一、〇三七 六、四〇〇   八七 四六、七三一
中学校 七、一〇〇 五、八九四 一、〇〇〇 一、〇〇〇   二、〇〇〇 五〇〇 三、〇〇〇 二四〇 一〇四 二〇、八三八
高等学校 一、五〇〇 四〇〇   一五〇             二、〇五〇
保育所       二、〇〇〇 五〇〇 一、〇〇〇         三、五〇〇
二九、三八五 一二、七一六 六、〇〇〇 六、一五〇 一、五〇〇 六、〇〇〇 一、五三七 九、四〇〇 二四〇 一九一 七三、一一九

(大船渡災害誌、山田町役場調べ)

(四)、当時の記録から

1、役場当直日誌

※津波関係記事抜粋

五月二十四日 (火)

一、午前四時津波襲来

・全員緊急出勤救護に当る

・水道断水せるも午前十時頃消火栓にて注水

・炊き出し実施

一、議会全員協議会

五月二十五日 (木)

一、昨日に引続き被害調査

一、衛生班を組織して被災地消毒

一、水道時間給水

一、滝沢の陸上自衛隊施設隊先発隊到着

・炊き出し実施

五月二十六日 (金)

一、町議会

災害復旧対策委員会設置

一、津波注意予報あり

一、町長陳情のため盛岡へ

一、救援米配給

五月二十七日 (金)

一、物資配給(高校生徒応援)

海上自衛隊哨海艇、ヘリコプター救援物資を積載して来町

一、水道完全給水

一、小学校避難者への給食廃止

五月二十八日 (土)

一、町長、農林大臣へ陳情のため釜石市、盛岡市へ出張

一、物資配給(高校生徒応援)

大浦、田ノ浜、織笠、大沢地区

一、自衛隊ヘリコプター着陸

五月二十九日 (日)

一、罹災者名簿調整

一、町長帰庁

一、船越、織笠、大浦地区へ救援物資輸送

一、物資配給山田地区

五月三十日 (月)

一、災害対策委員会(公民館)

一、建設大臣大槌町に来町(町長陳情)

五月三十一日 (火)

一、町長盛岡へ出張

災害対策本部並びに県庁各課へ陳情

一、参議院議員一行視察に来町

六月一日 (水)

一、自衛隊防疫班三〇名午後四時より山田地区消毒

一、町長盛岡出張(県災害対策本部陳情)

六月三日 (金)

一、町長釜石市(陳情連絡)

一、自衛隊歓送式

一、全国議長会会長、衆議院商工常任委員会一行来町

六月四日 (土)

一、町よりの見舞金交付

六月五日 (日)

一、罹災相談所開設

一、町長、東京都へ陳情のため出張

六月六日 (月)

一、織笠地区NHK診療班の無料診断

一、議長陳情のため上京

六月七日 (火)

一、第八女神丸乗組員帰還

一、大迫町より稲苗到着

六月八日 (水)

一、稲苗到着

一、亘四郎衆議院議員視察に来町

六月九日 (木)

一、公営住宅□□査定

一、大迫町から救援苗到着

六月十日 (金)

一、議長帰町

一、救援物資配給

六月十一日 (土)

一、東和町より救援苗到着

六月十二日 (日)

一、水産庁の鶴田技官漁港災害視察のため来町

一、町長帰町

六月十三日 (月)

一、滝沢村役場、雫石役場より救援苗輸送到着、農協、被害地に配布

六月十四日 (火)

一、織笠、大沢地区へ救援物資配給

一、町長出張

六月十五日 (水)

一、町長帰町

一、山田地区救援物資配給

一、水産庁より災害漁港の査定

六月十六日 (木)

一、総務課員午後八時まで執務

一、県副知事来町

六月十七日 (金)

一、山田町議会第一回臨時会

六月十八日 (土)

一、大沢、織笠地区に救援物資運搬

六月十九日 (日)

一、町長東京出張

一、大沢、織笠地区に救援物資運搬

六月二十一日 (火)

一、救援物資配給

六月二十二日 (水)

一、公民館において見舞金の交付

町長帰町

受付名簿

来庁者名簿
五月二十五日 県警本部監察官 和田英敏
  岩手県岩手銀行頭取 雫石隆孝
  岩手銀行取締役人事部長 菊池林太郎
  東北管区警察局岩手通信出張所技官 阿部敬治
  国民金融公庫盛岡支所総務課長 浜 新八
  山田駅長 渡辺
  宮古市役所職組代表 石川正 外二名
  田老町消防団長 小幡団長
  田老町助役 花輪助役
  山田郵便局長 久能
  宮古県税事務所 城守二
  〃〃 熊谷修平
  町議会議長 福士正一
  宮古警察署長 斉藤七男
  国民金融公庫 盛岡支所支所長 奥山貞一
  県土木委員 四名見舞に来庁 部長 佐々木猛
  盛岡財務部長 外一名 東北財務局盛岡大蔵事務官 今渕宗孝
  山田町選挙管理委員会委員長 黒田静夫
五月二十六日 宮古職業安定所長  
  日本缶詰 専務 横尾正登紀
  津軽石 盛合光蔵
  仙台国税局 直税部長 遠山修
  仙台所得税 資料係長 沼畑亮三
  宮古税務署 直税課長 鈴木正一
  宮古署長 鈴木正雄
  宮古統計調査事務所 農林技官 千葉勇
  遠野市青笹町 千代川そ峰
  山田担当区 奥さん 片方左京
  北海道東北開発公庫東北支店 総務課長 舞石吉志郎
  宮古市議会議長 外十二名 小林治三郎外
  宮古市議会議員 西舘善平
  衆議院議員 山本猛夫
  宮古市商工会 専務 大森
  岩手県漁連会長 伊藤佐十郎
  宮古農業改良普及事務所長 藤原吉男
  宮古保健所長  
  住宅金融公庫仙台支所 支所長 塚本麟太郎
  中小企業団体中央会 主事 八重樫栄六(阿部四郎商工会長案内)
  衆議院議員 鈴木善幸
五月二十七日 宮古税務署 間税課長 永沢秀太郎
  仙台郵政局 郵務部管理係長課長補佐 茨木相一
  国民金融公庫 盛岡支所支所長 奥山貞一
  県土木部 建築課技師 太田栄
  興産相互銀行 人事課長 藤井与一郎
  興産相互 取締役社長 鎌田賢三
  岩手県農山漁村電化協会 参事 大川運平
  県農林部 林業課長 岡崎泰治
  県農林部 林業課課長補佐 和嶋氏太
  衆議院議員 野原正勝
  岩手県火災共済協同組合 参事 本舘久夫
  盛岡市役所 厚生課長  
  宮古測候所 調査官運輸技官 田巻健
  岩手県市町村職員共済組合 広田庄一
  県農林部 農蚕課課長補佐 井上三次
  青森営林局長 大野文夫
  仙台郵政局 貯金部 飯田武房
  釜石化成産業株式会社 社長 田中吉平
  仙台郵政監察局 盛岡支局次長 岩田泰一郎
  宮古米穀協同組合  
  釜石交正会支部 代表 渡辺幹夫
  衆議院議員 山中吾郎
  衆議院議員 北上愛郎
  〃 千代田区永田町第一議員会館八〇四号室 日野吉夫
五月二十八日 東北大学 助教授 理学博士 小貫義男
  花巻市役所 庶務課長 佐藤誠一
  岩手県統計事務所 水産統計課長 信田俊三
  岩手大学 教授 理学博士 川本忠平
  県警本部警務部 厚生官県警視 阿部今朝治
  岩手県警察本部長 警視正 後藤信義
  盛岡放送局 事業課 佐藤克二
  日本赤十字社 岩手県支部  
  北上市 収入役 斉藤五郎
  〃議会副議長 福盛田共治
  北上市商工会議所 専務理事 斉藤隆三
  水沢市役所 企画広報室長 千葉孝志
  北上市役所 企画広報室長 平野
五月二十九日 岩手県農蚕課 農産係 松本政一
  岩手トヨタ自動車株式会社 車輛部長 吉田弘四
  仙台農地事務局 災害復旧課農林技官 川村健蔵
  岩手県水産統計課長 農林技官 信田俊三
  宮古専門店会理事長  
  宮古酒類小売商業組合 専務理事 代表取締役 山崎清六
  釜石市防犯団体連合会副会長 上中島厚生会長 上中島区防犯協会長 狩野繁男
  衆議院議員 農林政務次官 大野市郎
  漁港部次長  
  全県食糧事業協同組合連合会 業務部次長 東京都中央区日本橋 岡田五郎吉
  岩手県米穀協同組合連合会 総務課長 盛岡市肴町二一四 大星歳雄
  盛岡市 民生部長 昆順三
五月三十日 宮古市重茂 重茂為治
  釜石市釜鉄社宅主婦の会連合会所 釜石市中妻アパート 千葉恵美
  衆議院議員 竹谷源太郎
  〃〃 中居英太郎
  県議会議員 上野正
  参議院議員 千田正
  県農林部 農蚕課主事 松本政一
  県土木部 建築課技師 太田栄
  全国町村会 参事 丹治康起
  秋田海上保安部巡視船みくら通信長 中島幸生
五月三十一日 立正佼成会 岩手支部  
六月一日 豊間根代表 県消防協会役員 豊間根隆
  宮古市消防団 副団長  
  岩手県厚生部 消防課長 桑島勇吉
  岩泉町長 工藤市助
  岩泉収入役 八重樫良雄
  参議院議員 谷村貞治
  鹿島俊雄
  米田
  岩手県世話課 嘱託 小野寺利一
  岩手県衛生課長 医学博士 菅原恒有
  第九混成団連隊長  
六月二日 陸上自衛隊第九混成団長 陸将補 竹下正彦
  〃本部幕僚長 一等陸佐 枦山徹夫
  衆議院議員(農林水産委員) 金丸信
  〃(農材常任委員長) 吉川久衛
  農林省水産庁(漁港部建設課) 海保久雄
  水産庁漁港部計画課 農林技官 関口雅臣
  第二管区海上保安本部 本部長 渋谷次吉
  衆議院議員 二階堂進
  東北方面総監部第二部長 一等陸佐 川村康雄
  トヨタ自動車販売株式会社 東北北部地区担当員 小田剛
  運輸省第二港湾建設局宮古港工事事務所長 運輸技官 宮古市鍬ケ崎下町 杉村悟
  自由民主党 国会対策委員会 近藤秀雄
  衆議院建設常任委員会 井上俊一
  国民金融公庫盛岡支所 業務課長 盛岡市大沢川原小路 佐々木保太郎
  衆議院農林水産委員会 調査室 中山茂次
  建設省河川局防災課 建設技官 武藤徳一
  宮古公共職業安定所 庶務課長 佐藤実
  住宅金融公庫建設指導部 指導課長 前田義雄
  住宅建設課長 尚明
  岩手県宮古建設事務所 所長 吉田時二
  岩手県土木部建築課 技師 佐々木敏雄
  国民金融公庫盛岡支所 次長 花沢三郎
  岩手県土木部河港課 課長補佐 佐藤勝郎
  盛岡簡易保険逓信診療所 郵政技官 鈴木静二
  建設省建築研究所 建設技官 牧野稔
  遠野市議会議員(土木常任委員) 中居長之丞
六月三日 遠野市議会議員(遠野市監査委員) 松本敬一
  遠野市福祉事務所 所長 佐々木乙治
  岩手県地方課長 伊藤勝次郎
  水沢市 市民相談室長 千葉誠
  岩手県 厚生部長 玉村孝三
  遠野市助役 佐々木初太郎
  小林事務器 小林菊弥
六月四日 岩手県失業保健課長 照井大治
  日本銀行盛岡事務所 所長代理 大野章夫
  日赤岩手県支部 事務局長 木村忞
  第二管区海上保安本部 警備救難部長 粟野次郎
  県農林部 耕地課 大沢郁夫
    以上

2、学校当直日誌(津波関係文書抜すい)

⦿大沢小学校

五月二十四日 (火)

・午前四時半より津波数回にわたって来襲、臨時休校、学校を罹災者に開放する

・明日午前九時より始業することに決定、ビラを貼布した。

・夜停電のためローソク使用する。

五月二十五日 (水)

・欠席者二十八名

・津波被害状況調べ

児童 半壊 一一名

床上浸水一五一名

床下浸水 一九名

職員 半壊 一名

床上浸水 三名

・明日臨時休校、手伝の指示

来校者

南陽寺奥様、盛合総氏、波岡茂行氏

教育委員会一行、清水アヤ氏

五月二十六日 (木)

・臨時休校

・職員会議

児童の出校、罹災児童の被害状況調査について

来校者

・教育委員会菅原氏、山田中田代氏五月二十七日 (金)

・欠席者八名

・短縮授業二時間、午後家庭での手伝

⦿山田小学校

五月二十四日(火)

午前四時頃より数度にわたり津波来襲、本日より三日間臨時休業、講堂を開放罹災者収容、午後九時過ぎ罹災者数名除き寝具ある人は全部眠る。

被害状況(午後五時現在)

山田町 山田地区

全壊 一七一 六〇

半壊 一八一 一三〇

浸水 一、一九二 七七二

罹災世帯一、二九三 七八〇

五月二十五日(水)

臨時休業二日目

職員会議九時~十時

来校者支会役員多数

五月二十六日(木)

・臨時休業三日目

・本日より校庭はヘリコプター発着地として使用されることとなった。

来校者

扇田先生

県教育庁より共済部係員

〃互助部係員

下閉伊教育事務所より中島さん

津波見舞電報東書(教科書出版会社)より

五月二十七日(金)

・欠席者六三名

・被害調査の後放課

・職員会議午前一〇時より

来校者

盛岡市民政部長昆順三氏

五月二十八日(土)

・臨時休業

来校者

支会役員多数

五月三十日 (月)

・欠席者三十九名

・九時始業午前で放課

来校者

保健所員三名

支会の先生方多数

五月三十一日(火)

・欠席者三十九名

六月一日 (水)

・欠席者五十二名

・五、六年生五校時目町の下水掃除

六月二日 (木)

・普通授業

・第一支会厚生部員会

・ヘリコプター二回校庭に着陸

⦿織笠小学校

五月二十四日(火)

午前四時頃津波襲来

・校舎に被害なし

・臨時休校

・一年教室に六世帯収容

・職員罹災状況

半壊 菊池、滝上(間借り)

床上浸水 武藤、関、白土

財産 昆野、箱石、広野

・木炭八俵役場吏員に貸す(罹災者用)

来校者

織笠支所長さん

本田先生(織中)

木村先生(豊中)

滝上先生、高橋先生(分校)

罹災者多数(六世帯)

一―一、一―二、二―一教室の机、椅子を廊下に出し、罹災者収容

五月二十五日(水)

・被害児童数調査

・臨時休校

来校者

・小原時計店主

・支所長さん

・教育長さん外教育委員三名

・大浦教頭先生、分校伊東先生

・津軽石小阿部先生

・宮古支部関係者多数

・一―一、一―二、二―一の教室罹災者収容

五月二十六日(木)

・臨時休校

・被害者児童数報告(午前)

・罹災者滝上先生、菊池先生宅に手伝い

来校者

県教育庁共済組合係員、互助会係員罹災事務指導のため来校

・下閉伊教育事務所中島会計主任

・山田教育委員会浜登さん(案内のため)

・竹内信三さん羽田正治さん

・岩手郡巻堀小学校及川弘平先生

・大沢中佐々木幹雄先生

・電球四個役場支所より支給

一―一、一―二、二―一、二―二教室に罹災者収容

・六世帯(罹災者)入居

五月二十七日(金)

・臨時休校

・九時半職員朝会

被害者児童名簿づくり

来校者

・佐藤克二さん(盛岡放送局)災害者にラジオ一台貸与のため

・清川さん(教育委員)西舘先生(織中)

一―一、一―二、二―一、二―二罹災者二十二世帯入居

五月二十八日(土)

在籍五一六欠席四九

午前職員朝会、児童朝会、学級指導(教科書調べ)掃除、放課

午後見舞金配布共済部(岩教組)

来校者

・宮古保健所員四名

・山田町役場民生課係員、保健婦二名

罹災者七四名に対して検便(赤痢菌検査)を行う三年一組教室

・篠木小学校PTA、教頭先生(七人)災害見舞に来校救援物資持参

五月二十九日(日)

・罹災者朝早くから便所の扱み取りと便所の掃除を行いクレゾールにて消毒す

その他昇降口、外便所、井戸などの清掃もやった。

・大沢先生、西村さんと二人で釜を洗い飲料水を入れる準備をした。

来校者

・東京書籍株式会社出張員松尾宏氏災害見舞に来校(支部宛に被害児童にエンピツ、ノートを送ったとのことである)

・警察関係の人々作業中雨のため講堂で雨宿りする

・日本文教出版社、おくむら運動具店より見舞状

五月三十日(月)

・欠席者四名

小学生二名、中学生一名赤痢と判明

・赤痢患者発生に付き臨時休校するため職員集会する

保健所長の指示にて六月二日まで休校

・一、二、三年生出校、高学年は登校中止二時限放課

・赤痢患者校内罹災者に発生のため二時限で打切りとする

・下校時は出校児童全員手の消毒を行う

・保健所(宮古)消毒班校舎内外をくまなく消毒する。

・検便実施(中学校の収容罹災者)

・役場より木炭一俵受取る

来校者

・宮古保健所消毒班六名来校

・伊藤重蔵氏

・山田保健婦小松平さん

・大沢〃中沢さん

・岩教組宮古支部見舞状

・上林商店よりエンピツ受ける

五月三十一日(火)

・臨時休校(赤痢発生のため)

・被害報告書作成

・救援物資(篠木小からの)配給する

来校者

・教育長

・立花先生のお姉さま

六月一日(水)

・赤痢患者発生のため臨時休校

・共済組合、互助会の請求書作成

・罹災児童へノート千四百冊受け入れ

・支所より木炭一俵返える

来校者

・織中校長先生、川瀬一郎氏

・宮古保健所長

・伊東先生

・菅原県衛生課長

六月二日(木)

・臨時休校

・共済組合より見舞金受ける

・自衛隊員二名玄関、廊下、便所消毒す

・見舞用ノート各学級へ配給する

来校者

・鈴木書店主(学用品の見舞受ける)

・織中校長

・支会校長会長

一支会会長、副会長豊中校長

六月三日(金)

・欠席者三二名

・二部授業午前三時限一、二、三年

午後〃四、五、六年

・無料診察三年一組教室

来校者

・簡易保険診療所員一行六名

受診者四〇名

・織中校長先生

六月四日(土)

・欠席者二七名

・二部授業午前三時限一、二、三年

午後〃四、五、六年

来校者

・役場吏員罹災者に見舞金給付のため

六月五日(日)

・収容者の大部分帰られ二世帯だけ残る、二世帯は講堂に移る。

来校者

・小平松保健婦さん

・広野先生、大沢先生

六月六日(月)

・欠席者一六名

来校者

・NHK無料巡回班の人達

・PTA会員

六月七日(火)

・欠席者十二名

来校者

・津波見舞のため岩教組委員長

教育会館長、宮古支部書記長、荒木田釜石支部長、鳥居宮古支部長、支会長、書記長

・明文社店員

・罹災児童に教科書くる

・漁業会より見舞品のエンピツ受ける

・釜石中妻小児童より衣類とどく

⦿船越小学校

五月二十三日(月)晴二十三・五度

・午後九時異状なし

・午前四時半四回にわたって津波

被害学校下花坂半蔵氏宅破壊その他浸水、田ノ浜地区五、六戸流失、その他不明

五月二十四日(火)

・津波のため臨時休校

被害状況

家屋流失、倒壊五戸七名

床上浸水一七戸二七名

来校者

田代忠蔵氏、波岡敞氏

五月二十五日(水)晴十五・五度

・欠席者二五名

・津波罹災後かたずけのため午前で放課

・罹災職員宅の手伝い

五月二十六日(木)晴十四度

・欠席者五一名

来校者

五十風将一郞氏

五月三十日(日)晴十三度

・職員津波被害者宅へ家庭訪問

来校者

三浦医師

漁協組合職員五名(総会会場準備のため)

⦿大浦小学校

五月二十三日(月)晴

・二十四日午前四時津波警報、津波来襲

学校に被害なし、部落に三十数戸の浸水の被害あり

五月二十四日(火)晴

・欠席者一〇名

・津波のため臨時休校

・一時、対策本部各部落の組長多数来校

五月二十五日(水)晴

・津波被害の整理のため二校時で放課

来校者

津波被害調査室本部(於音楽室)阿部善兵エ氏外多数来校

五月二十六日(木)晴

・欠席者六名

・津波被害整理のため二時限放課

来校者

宮古教販社より見舞電報

ロラン局員二名

六月十五日

・千葉県船橋小学校より学用品多数届く

六月二十一日

・岩泉教育委員会より衣類受ける

六月二十九日

・滋賀県八日市中野町聖徳中学校より現金、学用品受ける

七月十一日

・山田町尾半商店より児童ズック受ける

⦿織笠中学校

五月二十四日(火)

・三陸沿岸(太平洋沿岸大津波)

前四時~七時

上村、森、跡浜、大損害

家屋倒壊、半壊、床上、下浸水多大その惨状筆舌に尽しがたし

・臨時休校

連絡ある迄休校を指示

・夜、講堂を開放、約十二世帯収容せり

世帯者名

下田多三郞、沼崎末吉、稲川とみ、千葉嘉三、竹内満平、竹内祐太郞、昆信夫、佐藤長一、沢田ふじ、菊地徳十郞、佐々長次郞、昆忠三、湊千代三、昆国夫、八木善夫、稲川秀雄、佐々木良治、盛田幸治、蛇石英雄、赤瀬孝二、昆正二、稲川静男、阿部藤太郞、阿部孝、昆倉吉、菅原辰夫、昆野多喜夫、

職員罹災者

福士先生 床上浸水(約四尺)

野野先生 〃(〃)

鬼柳先生 〃(〃)

門脇先生 〃

阿部勇八氏切傷深く応急手当山田病院に運ぶ。

五月二十五日(水)

・中学校生徒罹災者数(全分校)

全壊流失家屋 二〇人

半壊〃 三六人

床上浸水 三五人

床下浸水 九人

計 一〇〇人

・臨時休校

・修学旅行中止に決定、連絡掲示する

・生徒罹災者百名

対策状況

・生徒罹災者実態調査

・役場、岩教組に報告

・罹災教員宅への手伝

・部落民、自衛隊の復旧作業が盛んとなる被害の甚大さを再確認する

・水道の便なし、故障中

・倒壊家屋の取りこわし及び道路が整えられる。

・夜八時より燈灯する

・津波罹災者講堂に宿泊する。約百名、前日と殆んど同じ

・対策本部よりミルク、竹輪、おにぎりの配給あり

・岩教組宮古支部からのマッチ配布する十五個

・警察官、消防団の巡視十時、十一時あり。

・ひっそりと静かなさびしい晩となり、罹災者も十一時半頃は全員就寝する

来校者

支部執行委員

支会執行委員

教育長、昆、斉藤、佐々木教育委員、佐々木源三氏、PTA会長

五月二十六日(木)

・消防団、自衛隊の懸命なる復旧作業によって道路が殆んど整備され、流失家屋の解体も充分成される

・水道の試験給水あるも未だ飲料に不適

・臨時休校

二十八日(土)

午前十時登校の旨連絡掲示する。

・罹災者の講堂宿泊は昨夜より減少し九〇名

来校者

大沢中阿部校長(見舞)

指導主事扇田先生(災害調査)

教育事務所より二名

その他電話使用者多数来校

宮古教科書販売店より見舞電報

「ヒガイ イタミ オミマイモウシマス」

五月二十七日(金)

・臨時休校

・一日一日講堂罹災者数減る

来校者

・地教委清川さん視察のため来校

・見舞金(岩教組)職員並びに生徒へ配布

五月二十八日(土)

・登校日(午前十時より)

全校朝会 放課

ホームルーム

・職員打合せ会決定事項

三十、三十一日生徒登校日(道路整理動員のため、但し、被災生徒は除く)

六月一日~四日臨時休校(夏期休業の繰り上げ)

・昨日に引き続き見舞金(岩教組)配布

・全校欠席者数三四名

五月二十九日(日)

・講堂へ宿泊者十七世帯(約八十名)

来校者

河南中学校長浜村半蔵氏、東京書籍松尾宏氏

五月三十日(月)

・生徒登校

午前中道路整理(跡浜)

全校生徒出席数七十八名

来校者

・宮古保健所長及び保健婦(講堂宿泊中の被災家族検便のため)

・一年C組中村啓子赤痢のため山田病院に隔離される。

五月三十一日(火)

・生徒登校

道路整備作業中止(赤痢発生のため)

・赤痢について鬼柳先生講話する

来校者

関、芳賀両先生(山田)山中の生徒を引率して(道路整理応援隊)

六月一日(水)

・講堂使用中被害者に赤痢患者五名続出、直ちに入院隔離する

井戸水の使用禁止

・外山分校PTAより御見舞金届く

来校者

PTA会長、宮古保健所より多数来校(検便の結果報告)、外山分校石ケ森先生、川瀬一郞氏、興産銀行員、岩手県衛生課長菅原恒有氏、

講堂宿泊者氏名

菊池徳太郞六名、佐藤長一六名、千葉嘉三六名、三浦条之助三名、昆忠三五名、昆倉治五名、稲川トミ一名、湊千代三七名、沢田ふじ一名、九世帯四〇名

六月二日(木)

・高橋先生より見舞金届く

来校者

沼崎徳受氏、清水清助氏

六月三日(金)

・臨時休校

来校者

山崎教育長、遠藤、及川先生(山田高校)太田清臣氏(東書員)小林由紀夫さん

・災害見舞金(大日本図書株式会社)

六月四日(土)

・生徒登校日

・欠席者二九名

・罹災生徒へ見舞品等支給

六月五日(日)

来校者

阿部勇先生(津波見舞)佐藤勝郞先生(大槌中)

六月六日(月)

・欠席者三二名

六月七日(火)

・普通授業に入る、欠席者二六名

・罹災生徒へ教科書支給、鉛筆一人当り四本支給(漁協より)

来校者

・岩教組委員長小川氏一行数名

被害地視察のため、支部長、支会長一行数名同時来校

六月八日(水)

・欠席者二〇名

六月九日(木)

・欠席者二六名

・午後校庭の水道故障四ケ所修理

来校者

町水道課員二名、川瀬一郞氏

六月十日(金)

・欠席者二五名

六月十一日

・欠席者一七名

来校者

・慰問隊来校釜石市小佐野ユリ洋裁技芸学院長他生徒五名

・中学校の諸先生方

六月十二日

・二―一教室でNHKラジオ無料修理(罹災者のため)

来校者

・ラジオ修理受ける人四名

・岩手日報記者

(五)、新聞報道から――救助、救援活動の状況

当時の新開記事から被害者への救助救援活動の状況を拾つてみた。

食糧手持ち二日分―孤立した船越―

〔山田町で菅原特派員〕下閉伊郡山田町船越地方は津波のためサケ川で有名な織笠川が逆流してあふれた海水のため、部落の七〇%が被害を受けた。電灯、電話線が切断され、山田線や二級国道なども不通になったため、食糧の手持ちは二日分で、電灯もつかず被災者は親類や知り合いに避難、身寄りのない二十世帯は織笠小学校に収容され、被災者は食糧、衣類、毛布、ローソクなどの救援を待ちかねている。

山田町織笠支所内の津波対策本部調べによれば、家屋の流失十九、全壊六、半壊七十六、床上浸水百五十、非住家全壊六で、被災世帯数は二百六十七、被災者は千六百人、ノリ、カキなどの漁業施設は全滅とみられている。

災害地視察に来県の鈴木代議士談

衆院議員鈴木善幸氏(自民党)は津波災害地視察のため、二十五日朝来盛、午後の“はやちね”で現地に向った。同日、県庁で「災害対策については、早急に災害立法を作り、伊勢湾台風の前例にならった対策を講じる。政局の見通しは、安保批准後の岸首相の引退年内解散ということになろう」と次のように語った。

一、国会では、二十五日今度の津波対策のため関係委員会で情勢をきき、二十六日には本会議で緊急質問を行ない政府の災害対策の基本方針をきく。

一、対策内容としては伊勢湾台風の前例にならい、これを上向っても、下向らないような高率補助の予算措置を講じたい。今回は小型漁船への国庫補助なども考えたい。このほか港湾、漁港など公共事業については国庫負担の法律にもとづいて考え、住宅対策をも考えたい。

一、災害問題と政局問題は直接関係ないが新安保条約は成立させる。しかし、そのご政局転換はあり、岸首相の引退時期は七月末ごろ、そして総裁公選を繰り上げ、年内の総選挙ということになる可能性が強い。

一、日ソ漁業交渉の結果、全船赤字も予想されるので、魚価の二割程度のアップを考えたい。さらに北洋漁業の再編成も考えねばなるまい。

なお、同氏は、二十五日午後、釜石(同日釜石泊り)二十六日大槌、山田、二十八日宮古、田老、久慈、二十九日種市と災害地を視察、二十九日夜帰京する。

(岩手日報三十五、五、二十五)

山田町の被害 全町の三分の一が被災した下閉伊郡山田町の被害調査は二十五日夕刻まとまった。

家屋流失七。全壊六三、半壊一六六、床上浸水一〇〇七、床下浸水一八八、計千四百九十四戸七千九百六十九人で、損害額は二億三千二百万円。ほかに農地五億五十八万円、公共施設三千八百万円、水産施設三億二百万円、工業施設一億百万円、林業九千二百万円、商業二億千八百万円の合計十四億八千万円にのぼっている。

陸の孤島とける宮古―釜石間も開通

山田津波の襲来とともに周囲との連絡を断たれ陸の孤島と化した下閉伊郡山田町は、二十五日午前六時五十六分釜石からの列車が到着、続いて十時三十三分豊間根まで開通被災者たちはようやく生色をとりもどした。

手がつかなかった家財道具の整理も朝からの好天にはかどり川で洗う者、道路や屋根裏に雑多なものを並べて干すものなど、町内一ぱいににぎやかな風景。

国道は自衛隊懸命の活動で高浜小前の決壊箇所は二十五日午後四時二十五分に仮りの橋が完成して宮古から山田までの自動車連絡がついた。織笠地区の家屋倒壊による不通個所も、自衛隊員六十二人が二十五日正午に家屋の取り除き作業を開始しており、二十六日から通られる見込みで、宮古―釜石間の国道は二日ぶりで開通する。

(岩手日報 三十五、五、二十六)

孤立する織笠地区

おにぎり日に二つ

交通途絶救援の手を待つ

下閉伊郡山田町は津波と同時に通信線と交通が途絶え、陸の孤島となったため、他の地区からの応援が少なく地元消防団の手不足などから復旧が一番おくれ、町当局は県下消防団に応援を要請している。

各地消防に応援頼む

ことにも被害の大きかった織笠地区の被災者は織笠小、中学校に収容されているが、手不足からたき出しすら十分でなく、一人が一日におにぎり二個配給されているだけで、空腹を訴える子らをなだめるのに親たちが苦労している気の毒な風景もみられる。

織笠の被災者菊池ツルエさん(46)は「主人と十六歳の長女をかしらに六人の子どもがいるが、着のみ着のままで避難したためお金は一銭もない。たき出しのおにぎりだけをたべているが、一日二個の配給ではやり切れない。被災と同時に米の特配が一人五合あったが、ドロをかぶっているため砂が多くてとても食べられなかった。せめて子どもたちだけにはあたたかいものをたべさせたい」としみじみ語った。

(岩手日報 三十五、五、二十七)

復旧、急ピッチ 宮古沿岸

宮古沿岸の津波復旧作業は高浜地区の二級国道仙台―八戸線開通と同時に急ピッチにはかどっている。県北バスは二十六日から宮古―豊間根間六往復、宮古―津軽石間十往復の運行を開始した。うち宮古―豊間根間は五往復が列車の代行である。山田線の復旧作業は宮古保線区の九十人と盛岡、一戸両保線区から応援にきた六十人の線路工夫に地元請負い業者の人夫三十人の合計百八十人が三班に分かれ、津軽石駅構内、法ノ脇架道橋同軌道の復旧に当たっている。

午前七時から翌日の午前二時までの突貫工事で津軽石駅構内は六日ごろまでかかる。東北電力宮古営業所管内は高圧線、低圧線の電柱百五十五本(約四百万円)流失したが、二十五日夜に宮古市高浜地区と山田町山田、同町織笠地区が復旧、二十七日には残された宮古市津軽石の法ノ脇地区も復旧の見込み。

(岩手日報 三十五、五、二十六)

被災者は訴えている

チリ沖地震津波災害復旧のため、県は三十日臨時県議会を招集し、災害救助法発動の追加更正予算と公共事業の応急対策を決める。二十六日夜小川副知事らが中央に陳情のため上京した。死者行くえ不明六十二人、被災世帯約七千、総被害百億円を越す昭和八年の三陸津波に次ぐ大災害だ。被災者や被災地で復旧指導している町村関係者は、国や県になにを訴え、どんな対策を望んでいるだろうか。現地のナマの声を録音した。

うわべの復旧はご免 希望を与える施策で

山田町町の三分の一が被災して総額十五億円の被害を出したが、陸上自衛隊員六十二人の活動で、二十五日夕刻不通だった同町織笠地内の二級国道が開通した。復旧資材の輸送が南北から自由になり、二十六日から自衛隊員も二百四十人に増員されて急ピッチな復旧が期待され、浸水のためポンプが故障していた同町の上水道も二、三日中には復旧し、休校中の小・中学校も二十七日から授業を再開するので町はようやく明るさをとりもどしている。しかし、山田町はスルメの不漁などが続いたあとの津波で決定的な打撃となり、農業五億、水産三億、工業一億のほか、町の心臓部だった商店街も二億一千万円の被害を受けるなど、山田町にとってこんどの津波は致命傷となった。佐藤町長はひとまず災害の全ぼうを報告するため二十六日出県したが「こんどの対策は単なる災害復旧でなく、とことんまでうちひしがれた町民に明るい希望をもたせるような施策を考えてもらいたい」と語った。

これからの生活は真っ暗だ

同町織笠昆テルさん(45)ノリは昨年秋の高潮で被害を受け、ワカメも悪かったし、津波で家や舟が流されてしまった。食うにも困る状態でいま六人が織笠小学校に収容され、町からのたき出しをもらっている。これからの生活の目安も立たない。一日も早く生活、生産両資金を貸し付けてもらって再建をはかりたい。

仮設住宅に満額補助を

山田町長佐藤善一氏の話当町は千五百六十戸が流失、全半壊したので、仮設住宅の補助三割以内というのを一割とか二割に切らずに満額補助して欲しい。公営住宅も二百四十戸やられたがこの復旧費も十分欲しいし、その他のワク外融資補助なども願いたい。水産関係ではノリの建て込み資材を小屋に格納していたのを小屋ごとやられ、またカキの施設は八、九割やられた。定置網は大、小とも全滅し、小型船や無動力船もほとんど破壊されたのでこれらの補助を考えてほしい。農業関係は被害田畑百五十二ヘクタールで、植え付けたばかりのが多く、県から技術者の派遣、苗の供給、労力も延べ七百五十人ほしい。道路などの土木被害は三千八百万円だが、ことに漁港の復旧は計画的にやってもらいたいし、町単独工事にも九割以上の補助が欲しい。

カキの養殖資材を早く

織笠漁協組合長山本永次郞氏(63)組合員はイソ漁業で生活し、百人はカキ、五十五人がノリをやっている。いまカキの養殖準備が八〇%進んだばかりで、生産の見通しが立たないので困っている。早く資材を準備する資金の援助を望む。

(岩手日報三十五、五、二十七)

豊間根―釜石間は復旧

山田線、全通は来月初め

津波による山田線の災害は豊間根―釜石間が復旧し、宮古―豊間根間は県北バスが代行輸送して連絡しているが、不通個所津軽石付近約一キロは新設同様の難工事なので全面復旧は六月一日ごろの見込み。

自衛隊が活躍、山田町の再建

下閉伊郡山田町の家を失った被災者は山田小学校に五十世帯百八十人、織笠小学校に四十五世帯百二十人、中学校に二十世帯百人が収容されていたが、現在では山田小学校に二十六世帯百十七人、織笠小学校に十二世帯七十二人が残るだけとなった。

復旧作業は消防団員のほか自衛隊二百三十七人が索引車二台、運搬車五十台の編成で来町、定時制高校の三教室を宿舎として連日活躍、また地元レーダー基地駐とんの航空自衛隊員十七人も道路、橋、倒壊家屋、破損船などの整理補修に協力している。作業員、被災者へのたき出しは被災を免れた豊間根部落の婦人、4Hクラブ員などが奉仕し、再建の速度を早めている。

町では救急食糧として米二百俵を宮古市から移入した。飲料水は水源地のモーターがこわれたのでディーゼルエンジンで揚水しているが、ポンプの能力が不足なので、仙台市に手配したエンジンが到着するまで午前六時から午後八時まで、同十一時から午後一時まで、同四時から同七時までを限って時間給水している。

(岩手日報 三十五、五、二十八)

必ず淡水で洗う―津波かぶった苗代―県農林部で警告

県農林部では、水稲がこうむった津波被害の技術対策を二十六日つぎのようにきめた。

△長時間塩水をかぶり、被害のひどい苗は使用しない方がよい。また、短時間塩水をかぶったものは淡水で洗う。

移植後の活着を促すため三・三平方メートル当たり十九グラムぐらいの硫安を追肥する。

△新たに苗代を作る場合にはおそまき、おそ植えとなるので(1)塩水害のないところを選び、畑苗代によるか、電熱育苗の設備を利用する(2)おそまき、おそ植えしても出穂のおくれが少なく、イモチ病に強いハツニシキ、またはトワダなどの品種が望ましい。ハツニシキなら六月二十五日植えの場合でも減収は少なく実用性がある(3)地温外気温が上昇しているので温度の調節管理に十分注意すること。

△除塩作業が終り、田植えのできる水田の施肥は(1)すでに施肥の終っていた水田は、基肥量をにらみ合わせ十アール当たり硫安七・五キロほどを施肥する(2)施肥の終っていない水田で下層土が未分解物質を多くふくむ泥炭土のようなところは、これら物質の分解でできる有機酸などの作用で被害がふえるので適量の石炭を肥す(3)塩害地は根ぐされを起こしやすいので、なるべく無硫酸肥料をやる。

津波被災地に無料公衆電話

〔仙台〕東北電通局の調べによると、チリ地震津波による電信電話被害は宮城県七千万円、岩手県一億八百万円、青森県七百十万円、計一億八千五百十万円に上っている。同局では被災地内の電話連絡を円滑にするため二十六日から十五日間の予定で大船渡市など各被害地に臨時無料公衆電話を開設した。なお同局管内の普通電話は全滅的被害を受けた志津川町の三百二回線が六月五日、大船渡市の一千十九回線が同月二十日ごろ復旧する以外は二十七日から三十一日までに復旧する。

一万世帯から募金

不通区間は二カ所鉄道 高田―盛、宮古―津軽石

津波で寸断されていた沿岸地方の鉄道、バス路線は盛鉄局、自衛隊、地元消防団の努力で、日を追って復旧開通し、不通区間は、鉄道は大船渡線陸前高田―盛間、山田線宮古―津軽石間を残すのみで、宮古―津軽石間は徒歩連絡、大船渡線の不通区間は二十八日からバスで代行運送する。一方バスは盛岡バスセンターの発表によれば、陸前高田―気仙沼間、宮古―山田間が六月以降になるほかほとんど開通、被災者の足の悩みは一応解消された。

△山田線宮古―豊間根間のうち津軽石―豊間根間が二十七日午後五時開通した。宮古―津軽石間の復旧見込みは六月十日ごろになるので、この間バスの代行運行を計画したが取りやめ、徒歩連絡す。

(岩手日報 三十五、五、二十八)

真性三、疑似四人

山田町津波被災者の赤痢

宮古保健所ではさる二十八日から下閉伊郡山田町釜谷洞、織笠、大沢の津波被災者約六百人を検便の結果、三十一日までに真性三人、疑似四人を発見、いずれも山田病院に隔離した。

◇真性△橋浦クミ子(一〇)(同町織笠)△中村恵子(一四)(同)△沼崎浩(四つ)(同)

◇疑似△蛇石正夫(七つ)(織笠)△同久美子(三つ)(同)△鈴木スエ(四八)(釜谷洞)△松本実(一二)(大沢)

(岩手日報 三十五、六、一)

十一日ぶりに開通

山田線宮古―釜石予定より七日も早く

チリ地震津波で寸断された山田線宮古―豊間根間一・七キロは十一日ぶりの三日午前十一時十七分、宮古駅発ディーゼルカーが初運行しマヒした宮古―釜石間は全面的に復旧した。

被害個所はレールがアメのように曲がり、路床が押し流されて新設線以上の難工事だったが、一日百五十人、延べ千六百五十人が動員され、現場にテントを張って昼夜兼行の突貫工事が行われ、予定より七日も早く復旧した。

この日は宮古着午前九時九分、同発九時十五分のディーゼルカーをとくに同十一時十七分発として運転したが、これに先立ち工事責任者などを乗せた試運転列車が同午前八時四十分に運転され安全度を確めた。

(岩手日報 三十五、六、四)

衛生的な水道ほしい 住宅はブロック建てに

前途の見通し暗い

△…“スルメの町”山田町は、一瞬にして交通、通信網が断たれ、陸の孤島と化した。典型的なリアス式海岸で、天然の良港”を自負していた町民は、全く虚をつかれた形。町災害対策本部の調べによる損害見積もりは、住宅の流失七十戸、全半壊二百二十九戸のほか道路、護岸の決壊、漁業資材や漁船の流失破損など含め、十億六千万円にのぼる。スルメやノリ、カキ養殖に依存する零細漁民が、被災者の大半を占め「住宅再建はおろか、明日の生活の見とおしさえ立たない」と途方に暮れる姿が痛々しい。

おくれた復旧作業

△…十六戸を流失、四十戸を全半壊した釜谷洞地区は、町の中心地帯だけに、復旧も早かったが、同地区から南へ一・五キロ離れた織笠地区は、全戸数の三分ノ二に当たる二百二十一戸が流失、あるいは全半壊し、壊滅に近い被害を受け、五日にやっとあと片付けが終ったばかり、織笠地区の復旧は、二級国道仙台~八戸線の決壊と山田線の不通で、輸送路が断たれた。地元の応援隊が一日平均二百人程度で、他の被害地に比べて少なかった。土台の弱い住家が、ちょうど間引きされたかっこうで作業がやりずらかった。などからおくれたが、自衛隊員百五十人の応援と、宮古警察署員三十人が、斉藤署長陣頭指揮で、人手の不足な老人世帯、未亡人世帯の復旧作業に協力、さらに輸送路確保のため、道路整備に当たったことが、被災者の復旧意欲を高め、自衛隊員と宮古警察署員の活躍に町民は心から感謝している。

つのる生活の不安

△…津波直後、織笠小に収容された二十三世帯百十六人と、織笠中の十七世帯八十人の被災者は、復旧が進むにつれて、町内親類、知人宅に身を寄せ、いまでは両校に二世帯ずつ残っているだけだ。被災者たちは、落ち着きだけはどうやら取り戻したもののカキやノリの生産資材はメチャメチャにやられ、しかも着のみ着のままで避難した者が多く生活の不安はつのるばかり。町当局でも「公益質屋を利用する者さえない」と語っているほどだ。織笠の八木善七さん(七〇)は五月三十日、漁業資材や加工場を流失、前途を悲観して自殺したが、中流の暮らしをしてきた人だけに被災者はかなり強いショックを受けたようだ。それ以来、生活に自信を失い、生活扶助の希望者が十人も出ており、町福祉課では「希望者はさらに増加する」とみている。

追い打ち赤痢発生

△…同町は津波の復旧途上で、赤痢の追い打ちまでかけられた。五日現在、患者は織笠地区十人、大沢地区二人、山田地区一人、計十三人で、全員県立山田病院に隔離された。集団発生した織笠地区は、水道があるが、利用者が少なかった。津波後は、使用できない井戸もあって、特定の井戸が集中的に飲料水や洗たくに利用され、ゴッタ返している。これが赤痢まん延の一因となったようだが、地区民たちはいま、安心して使用できる衛生的な水道施設の拡充を望んでいる。

まず生産資金確保

△…町災害対策本部は、当面の課題である被災者の生産資金の確保と、住宅建設に力を注いでいる。生産資金は漁業者の場合山田湾漁連とタイアップして農林中金の融資を、商工業者の場合は、国民金融公庫、中小企業金融公庫などの長期、低利の融資導入に奔走している。住宅については、仮設住宅四十三戸の割り当てをさらに三十七戸、応急修理住宅五十五戸の割り当てをさらに六十五戸、公営住宅二十戸の割り当てをさらに三十戸追加するため、佐藤町長が上京、関係機関に強力に要請している。また「ノーモア津波」を訴える被災者たちは、すみやかな恒久対策を望んでいるが、佐藤町長は「国道は海岸保全を兼ねたものにし、さらに安全地帯に町道を通し、そこに市街地を形成するようにしたい。漁港修築した山田魚市場周辺は、被害が少なかったが、この経験を生かし、近い将来織笠地区の漁港修築も実現させたい。住宅はブロック建てを奨励していく。山田は原料が豊富であり、かねて町営ブロック工場の建設を計画していた織笠地区の被害状況を見ても、土台のガッチリした建物は流失を免れており、住宅改善の必要性を痛感した」と語っている。

(岩手日報 三十五、六、七)

チリ地震津波余聞

盛岡地方気象台宮古測候所長 二宮三郞

こんどのチリ地震津波は、地球の裏側のチリ国コンセプション市沖に起こった超特大の地震津波の余波で、いわゆる無警告津波として三陸地方に地震の前ぶれなしに突然襲来した。

これはきわめて注目されるところである。

従って警報も間に合わなく予想外の被害を出した。まことにいたましいことで、沿岸では「地震があったら津波の警戒」といった概念はここでくつがえったわけである。

いろいろの文献を調べて見ると昔から三陸津波はこの三百五十年間に大小四十三回ばかり数えられる。いまこの中から、今度のような地震の前ぶれのない、つまり記録に地震の記事を欠いたものや、地震が伴わなかったと考えられるものを調べるとおよそ十四回あることがわかった。これらの津波は地震がない上に、現象も大きくなく、また被害もほとんどないのであまり注意もされず、簡単に記されたり中にはただ口碑として残っているものもある。

いまその中の一つに比較的詳しく観察された津波を岩手県災異年表から拾って示すと

宝暦元年(今から二百十年前)五月二日(陽暦五月二十六日)大槌地方未刻(午後二時)より浦々に大潮七度、小潮五度指入浦々民家へは敷板まで上り、田畑水の下に相成り四日町、八日町、向川原裏道海の如く酉刻(午後六時)潮引く人馬怪我無之(岩手県誌料写本大槌記録抄)というのがある。

これを読むと地震が感ぜられなかったこと大潮、小潮の襲来回数、また人馬にケガはなかったが、海水が床上や田畑にわりあい静かに侵入するようすなどが感じられて、何か今度の津波によく似たところがある。

そこで東京天文台編の理科年表の本邦や世界の大地震表によって調べると、果たして特大地震として、「西紀一七五一年五月二十四日、チリ国コンセプション市、サンチャゴ市大地震津波あり、このためコンセプション市移転」という記録があって、宝暦の昔この津波の余波が遠く三陸を襲ったに違いないことを裏書きしている。

このように残りの十三例を理科年表で詳しく調べて見ると、このうち四回はどうしても該当する地震は見当らないが、他の九回はいずれも南米付近の地震津波の影響としか考えられないものがある。すなわち天正十三年(一八五六年)五月十四日の津波は南米ペルーのリマ地震津波、慶安四年のものはチリおよびペルーの地震津波、貞享四年(一六八七年)九月十七日のものは、同じくペルーのリマ地震津波、享保十五年のものは、チリのコンセプション沖、天明年間のものはメキシコのアカプルコ地震津波、そして今回のものも同じくチリのコンセプション沖であるから、いずれも大体南米のチリかペルーの地震津波の影響で特にチリのコンセプション沖のものが目立っている。

このチリのコンセプシヨン沖では理科年表によれば最近四百年間に十回以上の特大地震津波に見舞われ、さらに今回のものは超特大として火山爆発や、大きな地変がともなっている。こんご何年か何十年後にまた起るだろうとも想像される地球の裏側といって無関心ではいられない。

特にこの地方の津波の集中点が日本付近にあるとすればなおさら大きな関心事である。

さて昭和八年三月の三陸大津波をキッカケに、三陸沖から北海道沖へかけての地震をおもな対象に、有感地震を前提として研究発達してきた現行津波警報組織体制では、今度の超遠距離津波の警報に間に合わない。

たとえ理論的に検潮儀的には津波の来ることがわかっていても現実の場合、無理からぬことであったと思う。

しかし、いま過去にも被害こそなかったが事実人間に認められる津波の記録のあることがわかり、さらに今回の貴重な体験を得た以上、一刻も早く現状組織を拡大して世界的機構、少なくとも現太平洋諸国と国際津波警報体制を確立し、同時に現在の検潮儀を改め、昼夜常に現業室内で観測者の目によって海面の異状昇降をとらえるよう、自動通信式または隔測式の検潮儀が本邦沿岸各所にすみやかに設置されて、今後の津波対処に万全を期すことが焦びの急である。

これこそ今回の尊い犠牲をムダにしない転禍為福の方法と信ずる。

(岩手日報 三十五、六、四)

(六)、町議会関係文書綴から

町でも臨時町議会を招集し被災者救済の為町税の減免等を決定している

山田町議会第一回臨時会

日時 昭和三十五年六月十七日

一、昭和三十五年五月二十四日の津波災害による被害者に対する町税の減免に関する条例設定について

二、災害復興住宅資金建設及び補修資金借入者に対する債務保証をなすことについて

三、昭和三十五年度下閉伊郡山田町歳入歳出追加更正予算(第二号)

四、昭和三十五年度下閉伊郡山田町上水道特別会計歳入歳出追加更正予算(第二号)

(議案)34号

追加議案

山田町手数料条例の一部を改正する条例について

第四条 第五号の次に左の一号を加える

第六号 天災事変その他の災害で被害者より請求があったとき

参考

第四条 手数料は閲覧、照会、証明及び謄本、抄本又はその他請求のあったとき、これを徴収する。但し左に掲げるものは、徴収しない。

一、法令の規定により取扱うもの

二、本町の住民で公費の救助を受け又は扶助を受けるため必要なもの

三、本町の住民で手数料を納めることが出来ないと認めるもの

四、官公署より請求があったもの

五、公務員が職務上の必要で請求したもの

昭和三十五年五月二十四日、チリ地震津波による被害者に対する国民金融公庫が行う融資に関する損失補償契約について

一、損失補償契約の目的

昭和三十五年五月二十四日

チリ地震津波による被害者に対する国民金融公庫が行う融資を円滑にするため

二、契約の相手方

国民金融公庫総裁 中村建城

右代理人

国民金融公庫盛岡支所所長 奥山貞一

三、融資額の限度

金 壱億円

四、損失補償額の限度

実際に融資した額の百分の三十

第三回定例会

八月二十六日

昭和三十五年五月のチリ地震津波による被害漁業者に対する資金の融通に伴う利子補給及び損失補償と岩手県が行う利子補給及び損失補償のうち一部負担に関する予算外の義務を負担することについて

第二回臨時会

九月三十日

一、公営住宅の建設について

二、昭和三十五年五月のチリ地震津波についての天災による被害農業者に対する経営資金の融通に伴う利子補給及び損失補償に関する予算外の義務を負担することについて

三、昭和三十五年五月のチリ地震津波による被害者等に対し、岩手県信用農業協同組合連合会が行う復旧資金融資に関する損失補償契約について

四、昭和三十五年度下閉伊郡山田町歳入歳出追加更正予算(第四号)

第四回定例会

十二月二十六日

一、昭和三十五年五月のチリ地震津波についての天災による被害農林漁業者に関する予算外の義務を負担することについて

昭和三十五年五月二十四日の津波災害による被害者に対する町税の減免に関する条例

(目的)

第一条 この条例は、昭和三十五年五月二十四日の津波災害による被害者に対して課する昭和三十五年度分の町民税、固定資産税及び国民健康保険税を減免することを目的とする。

(町民税の減免)

第二条 災害により町民税の納税義務者(個人に限る。以下同じ)が左の各号の一に該当することとなった場合においては、当該納税義務者に対して課する昭和三十五年度分の町民税のうち昭和三十五年五月以後の納期に係る税額(特別徴収される町民税については、昭和三十五年五月以後において徴収すべき税額とする。以下同じ)について当該税額にそれぞれ当該各号に掲げる率を乗じて得た額を軽減し、又は免除する。

一、 死亡した場合 十割

二、 生活保護法(昭和三十五年法津第百四十四号)の規定による生活扶助を受けることとなった場合十割

三、 身体障害者(地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号(以下「法」という。)第二百九十二条第八号に規定する身体障害者をいう。)となった場合

1 災害により自己の所有に係る財産(固定資産、家財、商品、製品、半製品、仕掛品、原材料、機械器具)九割について生じた損害金額(保険金、損害補償金等により補てんされるべき金額を除く。)がその価格の三割以上である町民税の納税義務者で昭和三十四年中における法第二百九十二条第一号に規定する総所得金額が百二十万円未満のものに対しては、当該納税義務者に対して課する昭和三十五年度分の町民税のうち昭和三十五年五月以後の納期に係る税額について左の表の上欄に掲げる区分に従い、それぞれ下欄に掲げる率を当該税額に乗じて得た額を軽減し、又は免除する。

町民税の減免対象の表
昭和三十四年中における総所得金額 財産に係る被害率 三割以上七割未満 七割以上
軽減率
二十万円以下 六割 十割
四十万円以下 四割 八割
七十万円以下 二割 四割
百二十万円未満 一割 二割

第三条 災害により昭和三十五年中において収獲すべき農作物について生じた減収率「昭和三十五年中において収獲すべき農作物の減収価格から農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)によって支払われるべき農作物の共済金額を控除した金額の平年における農作物の収獲価額に対する割合をいう。」が三割以上である町民税の納税義務者で昭和三十四年中における第二百九十二条第一号に規定する総所得金額が六十万円未満のもの(当該総所得金額のうち農業所得以外の所得に係る金額が三十万円をこえるものを除く)に対しては、左の表の上欄に掲げる区分に従い、当該納税義務者に係る昭和三十四年中における農業所得に係る総所得金額と農業所得以外の所得に係る総所得金額とにあん分して得た当該農業所得に係る所得割額の四分の四の額にそれぞれ下欄に掲げる率を乗じて得た額を当該納税義務者に係る昭和三十五年度分の町民税額から軽減し、又は免除する。

町民税の軽減率の表
昭和三十四年中における総所得金額 軽減率
十万円以下 十割
十五万円以下 八割
二十万円以下 六割
三十万円以下 四割
六十万円未満 二割

(固定資産税の減免)

第四条 災害により被害を受けた農地又は宅地が流失、水没、埋没又は崩壊等により作付不能又は使用不能となった場合においては当該農地又は宅地に対して課する昭和三十五年度分の固定資産税のうち昭和三十五年五月以後の納期に係る税額について、左の表の上欄に掲げる区分に従い、それぞれ下欄に掲げる率を当該税額に乗じて得た額を軽減し、又は免除する。

固定資産税の軽減率の表
区分 軽減率
被害面積が当該土地の面積の八割以上である場合 十割
被害面積が当該土地の面積の六割以上八割未満である場合 八割
被害面積が当該土地の面積の四割以上六割未満である場合 六割
被害面積が当該土地の面積の二割以上四割未満である場合 三割

2 災害により被害を受けた農地及び宅地以外の土地に係る昭和三十五年度分の固定資産税については、前項の規定に準じてその額を軽減し又は免除する。

第五条 災害により被害を受けた家屋については、当該家屋に対して課する昭和三十五年度分の固定資産税額のうち昭和三十五年五月以後の納期に係る税額について、左の表の上欄に掲げる区分に従い、それぞれ下欄に掲げる率を当該税額に乗じて得た額を軽減し、又は免除する。

災害により被害を受けた家屋別固定資産税の軽減率の表
区分 軽減率
全壊、流失、埋没等により家屋の原形をとどめない場合 十割
床上浸水等により主要構造部分が著しく損傷し、大修理を必要とする場合で、当該家屋の価額の六割以上の価値を減じたと認められるとき。 八割
床上浸水等により内壁、外壁、建具等に損傷を受け、居住又は使用目的を著しく損じた場合で、当該家屋の価額の四割以上六割未満の価値を減じたと認められるとき。 六割
下壁、畳等に損傷を受け、居住又は使用目的を損じ、修理又は取替を要する場合で、当該家屋の価額の二割以上四割未満を減じたと認められるとき。 三割

第六条 災害により被害を受けた償却資産については、当該償却資産に対して課する昭和三十五年度分の固定資産税額のうち昭和三十五年五月以後の納期に係る税額を前条の規定に軽減し、又は免除する。

(国民健康保険税の減免)

第七条 災害により被害を受けた国民健康保険税の納税義務者に対して課する昭和三十五年度分の国民健康保険税額のうち昭和三十五年五月以後の納期に係る税額を第二条の規定に準じて軽減し、又は免除する。

(減免の申請)

第八条 前五条の規定によって町税の減免を受けようとする者は、昭和三十五年六月三十日までに別記様式による町税減免申請書を提出しなければならない。

(減免の取消)

第九条 町長は、虚偽の申請その他不正の行為により町民税又は固定資産税の減免を受けた者がある場合において、これを発見したときは、直ちにその者に係る減免を取消すものとする。

附則

1 この条例は、公布の日から施行し昭和三十五年度の町税について適用する。

2 この条例は昭和三十六年三月三十一日以後効力を失う。

災害応急対策概況

1、チリ地震津波災害による被害者に対する町税の減免額調

チリ地震津波災害による被害者に対する町税の減免額調査表
税目 税額 減免額(円) 納税義務者 件数(件)
免税(人) 減額(人) 合計(人)
町民税 一、二七一、三三〇 一二八 一、七二五 一、八五三 一、八五三
固定資産税 一、六九〇、七九〇 九六七 九六八 九六八
国民健康保険税 二、二二一、七四〇 八〇 一、〇六三 一、一四三 一、一四三
五、一八三、八六〇 二〇九 三、七五五 三、九六四 三、九六四

減免率

町民税、国民健康保険税

町民税、国民健康保険税の減免率の表
前年の総所得金額 財産の被害率 住家の流失、全かい 半かい 床上浸水
軽減率 軽減率 軽減率
二〇万円以下 一〇割 八割 六割
四〇万円以下 八〃 六〃 四〃
七〇万円以下 四〃 三〃 二〃
一二〇万円未満 二〃 一〃 一〃

固定資産税の減免率

土地の分

固定資産税の減免率の表(土地の分)
区分 軽減率
被害面積が当該土地の面積の八割以上 一〇割
〃六割以上八割未満 八割
〃四割以上六割未満 六割
〃二割以上四割未満 三割

家屋の分

固定資産税の減免率の表(家屋の分)
区分 軽減率
全かい流失 一〇割
半かい 八割
床上浸水 六割

2、チリ地震津波罹災者に対する水道使用料の減免状況

床上浸水以上の罹災者に使用料二ケ月分免除

地区別水道使用料減免額の表
地区 世帯数 減免額(円) 備考
山田 六六一 三七一、一八〇  
織笠 八五 四三、一一〇  
田の浜 一七 五、五九〇  
大沢 九九 四一、六七〇  
大浦 二九 一二、七六〇  
八九一 四七四、三一〇  

3、厚生関係

(一) 金融対策

住宅金融公庫 融資 (町役場民生課で斡旋)

融資を受けた人員 一五九名

融資額 三三、四六〇、〇〇〇円

国民金融公庫 (商工会で斡旋)

融資を受けた人員 四〇五名

融資額 六六、〇一〇、〇〇〇円

(二) 町立職業補導所補導料減免状況

罹災補導生 三八名 三七、五〇〇円

なお、罹災しない補導生五三名も救援物資の整理配給に六日間応援したので一カ月分補導料を減免した。

チリ地震津波による各漁協に対する融資額

各漁協に対する融資額の表
漁協名 金額
山田湾漁協 三、五九四、〇〇〇
山田町漁協 三三一、〇〇〇
大沢漁協 四、五三二、〇〇〇
織笠漁協 七、〇五八、〇〇〇
船越漁協 二、〇七二、〇〇〇
大浦漁協 一、七三五、〇〇〇
定置漁業 三五、四〇〇、〇〇〇

山田水産加工業協同組合

(七)、広報「やまだ」にみる復旧状況

山田町政史上最大の試練

損害一〇億二千万円

チリ地震津波災害

「災害は忘れたころにやってくる」と云われていますが、今回のチリ地震津波もちょうど昭和八年の三陸津波から二十七年たっています。みんなの記憶もうすれてきて、忘れかけている時でした。

山田町の場合、一朝にして十億二千万円の尊い財産を破壊流失しつくしてしまいました。これ以上の大きな試練がまたとありましょうか。町では直ちに対策本部を設置、町議会緊急協議会を招集、応急対策に当りました。通信、交通の杜絶という最悪の条件を克服し大釜ロラン局を通じ、無電により波崎を経由県の対策本部と連絡に成功しました。次に鉄道の開通を機に各関係機関に陳情、各種団体、学校、自衛隊の出動を得て応急事業は一応完了しました。

日をかさねるに随って全国各地から温い愛の手がさしのべられ、私達もまたこの愛に励まされて復興意欲を燃やしてきました。

私たちは今ホッとした感じを持っておりますが、本来の復興はこれから始まります。家を建て、工場を整備し、道路を、護岸をもと通りにし上げるまでは、力を抜くことができません。二万五千人がみんな力を合せて山田町の復興にあたりましょう。

次に応急対策が完了するまでの町の仕事を町政日誌よりひろっておしらせします。

災害対策報告

一、会議の状況

5月24日午後1時 議会全員協議会

5月26日午後2時 議会全員協議会

5月30日午前10時 災害対策委員会

6月14日午前10時 配給監査委員会

二、被害調査

5月24日 概況調査

5月25日 第二次調査

三、災害救助法による物資の給与状況

1、たき出し、その他食品避難所に収容させた者、床上浸水以上の被害で炊事不能の者に米二四一俵味噌一、三八六K、しょう油三五六・四lを、また飲料水の不足している地区には自衛隊の給水車を利用して給水した。

2、被服、寝具、その他の生活必需品は床上浸水以上の被害者にそれぞれの基準により給与の適正を期した。

四、援護物資の受付及び配給の状況

日赤、お年玉付郵便葉書寄付金によるもの、AC物資(キリスト)第七護衛隊、新聞社、日赤扱義損金等続々と県内は勿論全国各地から温い同情が寄せられ、着荷し、これが配給には配給委員(対策委員と民生委員との代表を以て構成)の立会を求め、適正を期している

五、見舞金交付

6月4日見舞金交付

6月22日見舞金交付

六、収容所開設の状況

1、避難所の開設

  • 山田小学校 五日間(延 五三五人)
  • 織笠小学校 十日間(延一一五五人)
  • 織笠中学校 十日間(延 七三四人)
  • 大沢公民館 十日間(延 一〇五人)

2、応急住宅

  • イ、応急仮設住宅四三戸、これに自力を以ては不可能の全壊、流失者に対し県が仮設するもの(五坪約十万円)
  • ロ、応急修理住宅五五戸、これも半壊の自力で修理能力のない者に約二万円の現物給与の型で行なう
  • ハ、公庫住宅
    建設約三〇戸、修理六〇戸、これは住宅金融公庫が融資するもの、建設は三〇万円、修理は一五万円(整地、事務費等に五万円まで)
  • ニ、公営住宅復旧
    既設のもの四六戸被害査定の結果、三一棟認定され2/3の国庫補助を得て工事を施行
  • ホ、生業資金の貸与
    全壊、流失者で生業の手段を失った者に一万二千円を限度として無利子で貸与

七、防疫の状況

  • 1、井戸消毒、延一六七
  • 2、屋内消毒、全被災地域にわたり三回
  • 3、しにょう処理、衛生車延一〇台
  • 4、じんかい処理、収集及び焼却全地域
    防疫については、保健所、自衛隊防疫班、中学校、高等学校、勝山実践会、千草会の協力が多大であった。

八、産業経済の状況

  • 1、苗代被害につき応急対策会議
  • 2、水産被害調査
  • 3、農業災害調査、商工被害調査
  • 4、農業用施設及び農地災害復旧工事設計測量実施
  • 5、復旧資材の斡施を県へ要請、救援苗要請
  • 6、雑物除去事業実施計画書作成
  • 7、水産関係復旧資材払下要請
  • 8、救援苗入荷、配給
  • 9、計量器応急修理
  • 10、農業復旧現地相談会
  • 11、商工業者復興資金(商・工会扱)
  • 12、水産関係つなぎ資金(各漁協)

九、土木の状況

被災地の跡片付作業、護岸、道路の復旧は自衛隊の力に負うとろが大であった。その作業状況次のとおり

5月25日 八四名出動

釜谷洞、柳沢、細浦地区国道応急作業と跡片付作業

5月26日 二五五名出動

釜谷洞、織笠地区の家屋移転及び跡片付作業、柳沢、細浦国道応急作業

5月27日 二五名出動

各被災地の跡片付および柳沢、細浦、大沢護岸の応急作業

5月28日 二〇〇名出動

大沢護岸、釜谷洞、護岸応急作業および船舶引上整理作業

5月29日 大沢、釜谷洞護岸応急作業および船舶引揚整理作業

5月30日 浦の浜、織笠堤防応急作業、各被災地の跡片付作業、大浦地区橋梁応急作業

5月31日 織笠、釜谷洞堤防応急作業、船舶引揚整理および跡片付作業

6月1日 織笠地区跡片付及び船舶引揚整理作業

一〇、水道施設被害の状況

水源地機械室二m以上浸水、モーターその他に被害を受け一時運転が休止したが、予備機械運転とその後修理ならびに新品取替えにより殆んど断水しないで済んだ。

一一、税の減免状況

減免条例を制定し、全壊流失は一〇割、半壊は八割、床上は三割~六割の免税を行う。

チリ津波災害調べ 損害合計額 一、〇二一、八三一千円 山田町 (昭和35・5・30現在)

住家・非住家のチリ津波災害調査表
業種 流失(全壊) 半壊 浸水 合計
世帯数 損害額 世帯数 損害額 世帯数 損害額 世帯数 損害額
住家 一三三戸 一二三、九七五千円 一六六戸 九二、九〇〇千円 一、一九五戸 三五、七九〇千円 一、四九四戸 二五二、六六五千円
非住家 一一三戸 二七、三四五千円 七六戸 八七八千円     一八九戸 二八、二二三千円
業種農業のチリ津波災害調査表(2分の1)
農業 苗代 水田
流失(埋没) 冠水 小計
面積 損害額 面積 損害額 面積 損害額 面積 損害額
一三、八〇〇坪 三一、七四〇千円 七、六ha 一、五〇〇千円 一一二ha 三一、三六〇千円 一一九、六ha 三二、八六〇千円
業種農業のチリ津波災害調査表(2分の2)
畜産 共同施設 合計
流失(埋没) 冠水 小計
面積 損害額 面積 損害額 面積 損害額 家畜 畜舎 小計 事務所倉庫 資材 小計
一、二ha 六〇〇千円 四〇ha 一二、〇〇〇千円 四一二ha 一二、六〇〇千円 二、八八三千円(九六頭) 二、三五五千円(三五七坪) 五、二三八千円 二、一一三千円 一、八八七千円 四、〇〇〇千円 八六、四三八千円
業種土木(農地)及び公共施設のチリ津波災害調査表(2分の1)
土木(農地)及び公共施設 道路 護岸
流失 欠かい 小計 流失 欠かい 小計
延長 損害額 延長 損害額 延長 損害額 延長 損害額 延長 損害額 延長 損害額
二八〇m 四、〇〇〇千円 一四三m 三、二〇〇千円 四二三m 七、二〇〇千円 三〇〇m 六、九〇〇千円 九四〇m 二〇、〇〇〇千円 一、二四〇m 二六、九〇〇千円
業種土木(農地)及び公共施設のチリ津波災害調査表(2分の2)
公共施設 農業被害 合計
公営住宅 水道施設 小計 堤塘 排水及びその他 小計
戸数 損害額 件数 損害額 件数 損害額
四六戸 三、五〇〇千円 三四件 七八五千円 八〇件 四、二八五千円 二、〇五〇千円
八〇〇m
九〇〇千円 二、九五〇千円 四一、三三五千円
業種水産関係のチリ津波災害調査表(2分の1)
水産関係 共同施設 非共同施設 漁船
無動力船 動力船 小計
三五、一二四千円 四四、八八五千円 (三〇一隻)四、八一二千円 (一六七隻)一三、三三二千円 一八、一四四千円
業種水産関係のチリ津波災害調査表(2分の2)
定置漁業 小型定置 その他漁具 養殖施設 その他の施設 生産被害額 合計
(一七カ統)五八、一二〇千円 (八カ統)一二、二六五千円 四一、九〇四千円 五四、四二三千円 一三、七五二千円 三四、七〇四千円 三一三、三二一千円
業種商業のチリ津波災害調査表(2分の1)
商業 食料品小売 衣料品小売 雑貨小売
店舗及施設 原料商品生産物 小計 店舗及施設 原料商品生産物 小計 店舗及施設 原料商品生産物 小計
九、三九六千円 一五、〇〇〇千円 二六、〇〇〇千円 九七〇千円 九一、三九五千円 九二、三六五千円 二、二一〇千円 一四、五四九千円 一六、七五九千円
業種商業のチリ津波災害調査表(2分の2)
菓子小売 自転車販売 その他 合計
店舗及施設 原料商品施設 小計 店舗及施設 原料商品 小計 店舗及施設 原料商品 小計 店舗及施設 原料商品 合計
一、〇八〇千円 三、二七〇千円 四、三五〇千円 五、〇七五千円 一五、八七〇千円 二〇、九四五千円 四、九三八千円 三、五四五千円 八、四八三千円 二三、六六九千円 一六九、五五三千円 一九三、二二二千円
業種工業のチリ津波災害調査表
工業 工場及び機械施設 六四、一四四千円 原料及び生産物 四二、四八三千円 合計 一〇六、六二七千円

町税の減免・復興資金の債務補償など可決

第一回臨時町議会

チリ津波対策

町議会第一回臨時会は6月17日午後1時公民館で開催されました。

まず佐藤町長より津波の災害状況とその後の措置、または対策について報告がなされ、ついで議事に入りました。

今回の議案はすべて津波災害の対策であり、被害者に対する町税の減免とか、住宅資金借入者に対する債務保証、国民金融公庫が行う融資に関する損失補償等でありました。

追加更正予算(第二号)は津波応急対策予算で、土木費は

一、一八二、五〇〇円の増で、おもなものは道路、河川、港湾の応急対策に要した空俵代です。

社会及び労働施設費は

災害救助費(罹災者に対する扶助費)の増が二、四七六、八〇〇円、住宅費の増が二、二二八、七〇〇円で災害住宅復旧工事の請負費です。

保健衛生費は

消毒薬品代、人夫賃その他で一、五六〇、〇〇〇円の増となっています。

産業経済費は

二、八一五、八〇〇円の増で、雑物取除、除塩、苗代設置、農業施設応急対策費にあてられます。

諸支出金は

一、五五八、〇〇〇円の増で、上水道の災害応急措置や、たき出しその他の事務費にあてられます

上水道追加更正予算は八二六、〇〇〇円の増でモーターその他災害を被った施設を修理するものです。

公庫の住宅復旧資金

受付は8月いっぱい

今度の津波で罹災して住宅に困っている方々に住宅金融公庫では建設または補修資金の貸付をおこなっております。

一般の貸付は原則として抽せんによって決定しますが今回の災害貸付にあたっては抽せんによらず、実情を調査し、実情に応じて貸付します。

貸付限度額は建設資金三〇万円、補修資金一五万円以下で償還期間は十八年と十年となっております。

なお災害貸付の受付は8月いっぱいで締切りますので、希望者はなるべく早くお申し込み下さい。

なおくわしくは役場の民生課住宅係にお問い合せ下さい。

復興資金五千万円融資

山田町商工会では津波災害の復興資金の融資を受けるため各方面に陳情中でしたがその実情が認められ、三二三名で、五、一九〇万円(六月二十九日現在)の融資を受け、未認定二三名で約四八〇万円の借入も確実と同会では見ております。

今回の融資の産業復興に及ぼす影響は大きく期待されます。

応急仮設住宅入居者きまる

災害救助法により建設される応急仮設住宅は四十三戸建設され、次の方々が入居することになりました。

△大沢地区中釜聖二、鈴木新八郞

△山田地区佐藤健三、山田フジ、佐藤タイ、湊藤三、石崎太郞、湊利男、芳賀次郞、佐藤八郎、菊池要一郞、沢田マリ、佐々木キミ、佐々木鉄雄、沢田吉太郞、内舘善吉

△織笠地区菊池清之亟、蛇石賢治、佐藤長一、菊池康治、佐藤ミサホ、稲川キヨ、千葉嘉蔵、鈴木福右工門、三浦久米吉、八木善運、沢田フジ、沼端善七、佐々木幸平、昆福右工門、稲川富裕、中村政太郞、中村正次郞、昆庄七、小川信行、阿部トシ、昆央一、湊サト、湊金七

△船越地区三枚堂春蔵、織笠武雄、菊池テル、佐藤長一

よせられたこの温情に感謝の心をささげましょう。(敬称を略させていただきます)

義捐金(6月26日現在)

  • 二万円 黒田静男
  • 五千円 豊間根婦人会
  • 一万円 重茂漁協婦人部 重茂婦人会
  • 三千円 宮古米雑穀協同組合
  • 一万円 田老町長
  • 五千円 北上市
  • 一千円 金光教盛岡教会
  • 二千円 釜鉄主婦の会
  • 五千円 千田 正
  • 一千円 滋賀県、伊吹正化学工業会社
  • 一万円 岩手ポンプKK
  • 二千円 愛知時計電気KK
  • 五千円 遠野市議会
  • 六〇万円 災害義捐金募集岩手県委員会、日赤岩手県支部長
  • 二千円 千厩町職員組合
  • 二千円 岩手県町村議長会
  • 三千円 田老町婦人会
  • 一万円 県北バス株式会社
  • 二万円 盛岡市長
  • 一万円 釜石化成株式会社
  • 一万円 岩手県町村会、同恩給組合、同共済組合
  • 一万円 花巻市
  • 三千円 水沢市長
  • 一〇万円 重茂漁業組合
  • 一万円 上野 正
  • 二千円 岩手町川口種豚組合長
  • 二千円 黒沢尻仏教婦人会
  • 一千円 母子協議会田の浜地区会員一同
  • 五万円 岩泉町
  • 六万三千円 遠野市
  • 四〇万円 岩手県扱分
  • 一万円 一関市
  • 三万円 岩手県町村議長会
  • 五百円 盛岡市青山町 矢崎須磨
  • 一千円 織笠外山婦人会
  • 三千円 東京都 久保田鉄工KK
  • 一千円 加藤歌一
  • 二一〇円 山形県神町小鳩 子供会
  • 五万円 谷村貞治
  • 七千五百円 陸上自衛隊第九特科連隊第二大隊
  • 四九五円 福井県さば江市河私田中学校一年B組
  • 一〇万円 佐藤善一
  • 三八万円 災害義捐金品募集岩手県委員会、日赤岩手県支部長
  • 二千円 花巻市東宮野目青年会
  • 一万円 花巻市山水閣
  • 五千円 岩手県火災共済協同組合
  • 一万円 昭和水道KK
  • 一千円 アタゴ興産KK
  • 三千一百円 豊間根婦人会
  • 一万円 天理教教会本部
  • 五万円 生命保険協会
  • 六〇万円 河北新報社
  • 六万一千円 山田町議会議員一同
  • 四千六百三〇円 関口分校後援会、母の会

救援物資(6月29日現在)

  • 岩手銀行山田支店 白米六〇K
  • 上田名部婦人会 炊出し
  • 立正佼成会釜石支部 衣料
  • 片方左京 衣料
  • 釜石製鉄所鋼片課 白米六〇K
  • 宮古専門店会 醬油三六〇リットル
  • 山田駅職員一同 竹輪二四〇本
  • 福士繁 牛乳二〇〇本
  • 県立山田病院看護婦一同 衣料五〇点
  • 佐藤信郞 綿三〇
  • 木津屋正助KK 醬油二〇 味噌二四
  • 岡山県高梁市北婦人会 衣類 梅干
  • 小林菊也 衣類
  • 北上市 白米四八〇K、衣類
  • 西根村寺田中学校 衣類
  • 遠野市 衣類
  • 花巻市 衣類、日用品
  • 盛岡市木津屋 ノート、鉛筆
  • 川井村沢田和子 衣類、文具
  • 仙台市清水屋 衣料
  • 豊間根婦人会 白米、衣料
  • 宮守村長 衣料
  • 東京都阿部繁次郞 運動具
  • 第七護衛隊司令 衣料、薬品
  • 盛岡市村上喜兵 みかん罐詰一〇箱
  • 盛岡市松屋陶器店 茶わん
  • 大洋漁業 食料品一一四凾
  • 日本キリスト教奉仕団 衣料
  • 花巻市宮野目農協 白米三六〇K
  • 上林清一 白米八一六K
  • 明治乳業KK タオルマッチ
  • 日東捕鯨KK 罐詰四箱
  • 宮古市おくむら 衣類
  • 水沢市 衣類、日用品
  • 花泉町議会議員一同 衣類
  • 盛岡市平金商店 ノート、鉛筆
  • 東京都港区氷川町山王丸 衣類
  • ロラン局官舎一同 衣料
  • 盛岡市バプテスト伝導所 衣料
  • 新里村長 衣料
  • 紫波町長 白米四四〇K
  • 東北製綿KK 布団二〇
  • 中村製薬KK 薬品
  • 明治乳業 キャラメル
  • 野田醬油KK 醬油
  • 宮古米雑穀協同組合 三六〇K
  • 佐々木源一郞 白米三二四K
  • 山崎忠雄 白米一〇三K
  • 笹間農協 白米六二一K
  • 救援苗(単位把)
  • 大迫町役場 五、四八九
  • 湯本農協 四、〇〇三
  • 矢巾農協 一〇、八八五
  • 見前農協 二九、三六〇
  • 東和町役場 一〇、七〇五
  • 雫石農協 三、五九〇
  • 御所農協 三、〇一四
  • 花巻市役所 一五、八五七
  • 石鳥谷町役場 一七、八四九
  • 徳田農協 五、二三五
  • 花巻市役所 一二、八五一
  • 滝沢農協 三、八二〇
  • 西山農協 三、三〇〇
  • 御明神農協 三、九〇〇

(広報やまだ、三十五、六、三十)

公営住宅の割当きまる

昭和35年度の公営住宅は第二種(八・五坪)が二十戸予定されておりましたが、今回の津波災害で住宅が底したので増枠され二十九戸に決定しました。

敷地の候補地は大畑地区に予定されています。

住宅公庫の融資 その後

津波の罹災者に対する住宅公庫貸付の受付事務は着々進んでおりますが、七月二十九日現在で一三七名に達しました。

今までのところ、認可済は八〇名で一、六一四万円(七月十四日現在)が融資されております。

国庫債券を買上げます

こんどのチリ沖地震津波で半壊以上の被害を被った方から引揚者国庫債券と遺族国庫債券を買上げております。買上げ希望の方は町役場民生課までお申出で下さい。

チリ地震津波災害復旧工事の査定結果(公共土木施設災害復旧事業)昭和35・7・10現在

チリ地震津波災害復旧工事の査定結果表
所管名 事業主体 災害復旧カ所 工種 数量(m) 査定額(千円) 関連事業費(千円) 附記
建設省 織笠古川(右岸) 護岸 七三、五 六七五 一八四、〇六六 一九八、五〇〇 関連一、九九五m
〃中瀬(左岸) 五六〇、〇 一三、七五九 〃一、一四五m
関口川釜谷洞(右岸) 一八三、〇 七九二 九八、八八六 一〇五、三三六 〃一、五七五m
〃河口(左岸) 三六四、四 五、六五八 〃一、四八〇m
船越南船越 四九二、五 三、九九四 一八、三七三 二二、三一七 〃五二二、五m
山田柳沢 道路 二六〇、〇 七、二七七   七、二七七 路面舗装
〃細浦 一六〇、〇 四、四三四   四、四三四  
宝来橋 橋梁 一八二 七六三   七六三  
小計 八カ所       三七、三〇二 三〇一、三二五 三三八、六二七  
農林省 大沢川向 護岸 二〇、〇 八二四   八二四 排水工八、五m
山田柳沢 一三三、 五、七四四   五、七四四
〃釜谷洞 二一四、五 八、一六〇 八、四七〇 一六、五七六  
〃境田 一三、〇〇 二、九四二   二、九四二  
〃飯岡 A
B〃
二〇、〇
三七、〇
二、五三四   二、五三四  
〃舗装 A
B
一六〇、〇m2
三六、九〃
二六五   二六五  
〃伝作鼻 護岸 一七五、五 三、一八三   三、一八三  
船越田の浜 五四、六 一、五六三   一、五六三  
小計 八カ所       二五、一六一 八、四七〇 三三、六三一  
農林省 山田織笠 防潮提 二一八、〇m 二〇、四二八 一九、九八七 四〇、四一五  
〃山ノ内 突提舗装 七八、〇m2 一七五   一七五  
小計 二カ所       二〇、六〇三 一九、九八七 四〇、五九〇  
農林省 船越浦ノ浜 堤防 一九三、〇m 九、七八一 一四、三四三 二四、一二四  
〃大浦 〃樋門 〃一五、五
一カ所
一、二〇六
二六五
一〇、七五一 一二、二二二  
小計 二カ所 一一、二五二 二五、〇九四 三六、三四六
合計 二〇カ所 九四、三一八 三五四、八七六 四四九、一九四

(これには農地および農業用施設の災害復旧工事査定額を含まない)(広報やまだ三十五、七、三〇)

(八)、チリ地震津波災害復旧対策決算

昭和三十五年チリ地震津波災害復旧対策決算

歳入(昭和三十五年度山田町決算書)

昭和三十五年度山田町決算書の歳入の表
款項 予算額 予算額 収入済額 附記
(6)国庫出支金   一二、九八七、〇〇〇        
1、国庫負担金 8、漁港災害復旧費負担金 一二、九八七、〇〇〇 1、漁港災害復旧費負担金 一二、九八七、〇〇〇 九、〇六一、〇〇〇 漁港災害復旧費負担金収入
(7)県支出金   二、八二九、三〇〇   二、八二九、三〇〇 二、八三四、〇二〇  
2、県補助金   二、八二九、三〇〇   二、八二九、三〇〇 二、八三四、〇二〇  
  11、災害保健衛生費補助金 五〇一、四〇〇 1、災害保健衛生費補助金 五〇一、四〇〇 五〇六、一二〇 災害保健衛生費補助金収入
  14、水防資材緊急整備費補助金 二五二、〇〇〇 1、水防資材緊急整備費補助金 二五二、〇〇〇 二五二、〇〇〇 水防資材緊急整備費補助金収入
  15、農地災害復旧費補助金 一、二七九、〇〇〇 1、農地災害復旧費補助金 一、二七九、〇〇〇 一、二七九、〇〇〇 農地災害復旧費補助金収入
  16、農業用公共施設災害復旧費補助金 七九六、九〇〇 1、農業用公共施設災害復旧費補助金 七九六、九〇〇 七九六、九〇〇 農業用公共施設災害復旧費補助金収入
(8)寄付金   四九六、五〇〇   四九六、五〇〇 四九六、五〇〇  
1、寄付金 2、指定寄付金 四九六、五〇〇 4、産業経済費指定寄付金 四九六、五〇〇 四九六、五〇〇 除塩事業費 四六九、五〇〇円
川向堤防災害復旧費 二七、〇〇〇円
(12)町債   一〇、五〇〇、〇〇〇   一〇、五〇〇、〇〇〇 一〇、五〇〇、〇〇〇  
1、町債   一〇、五〇〇、〇〇〇   一〇、五〇〇、〇〇〇 一〇、五〇〇、〇〇〇  
  5、災害復旧事業債 五、六〇〇、〇〇〇   五、六〇〇、〇〇〇 五、六〇〇、〇〇〇  
      1、漁港災害復旧事業債 五七〇、〇〇〇 五七〇、〇〇〇 漁港災害復旧事業債収入
      2、災害住宅建設事業債 三、二三〇、〇〇〇 三、二三〇、〇〇〇 災害住宅建設事業債収入
      3、農地災害復旧事業債 一、八〇〇、〇〇〇 一、八〇〇、〇〇〇 農地災害復旧事業債収入
  6、災害特例債 四、九〇〇、〇〇〇 1、チリ地震津波災害特例債 四、九〇〇、〇〇〇 四、九〇〇、〇〇〇 チリ地震津波特例債収入

歳出

昭和三十五年度山田町決算書の歳出の表
款項 予算額 予算額 支出済額 附記
(3)消防費   一五五、〇〇〇   一五五、〇〇〇 一五二、六七七  
3、津波災害応急対策費   一五五、〇〇〇   一五五、〇〇〇 一五二、六七七  
  1、報酬 一〇五、〇〇〇 一、報酬 一〇五、〇〇〇 一〇五、〇〇〇 団長以下出動手当
  2、需用費 五〇、〇〇〇 12、燃料費 二五、〇〇〇 二二、七六七 ガソリン及び木炭代
      23、修繕料 二五、〇〇〇 二四、九一〇 自動車ポンプ等修繕料
(4)土木費   一四、七六二、七〇〇   一四、七六二、七〇〇 一四、七六二、三一八  
4、災害土木費 4、漁港災害復旧費 一三、五八五、〇〇〇 4、旅費 三〇三、八九〇 三〇三、八九〇 出張旅費九節より 一九、五〇〇円
二三節より 四、三九〇円
      9、賃金 一六一、五〇〇 一六一、五〇〇 臨時補助員、事務補助員及筆耕料四節へ 一九、五〇〇円
      11、消耗品費 七九、四三五 七九、四三五 感光紙、法規追録等消耗器材代二三節より 三、二三五円流用
      12、燃料費 三五、〇〇〇 三五、〇〇〇 木炭代
      13、食糧費 五〇〇 五〇〇 弁当及茶代
      14、印刷製本費 七〇、〇一五 七〇、〇一五 写真現像焼付及諸用紙印刷代二三節より 六、五一五円流用
      15、光熱水費     一六節へ 一、五〇〇円流用
二〇節へ 五〇〇円流用
      16、通信運搬費 六、五〇〇 六、五〇〇 運賃及電話料一五節より 一、五〇〇円流用
      20、借料及損料 二一、二一〇 二一、二一〇 自動車、船及見張所敷地借上料
一五節より 五〇〇円流用
二三節より 七一〇円流用
      21、筆耕及び翻訳料 一五、〇〇〇 一五、〇〇〇 筆耕賃金
      22、委託料 一三〇、〇〇〇 一三〇、〇〇〇 工事設計料
      23、修繕料 一三、八〇〇 一三、八〇〇 見張所及自動車修繕代で
四節へ 四、三九〇円、二節へ 三、二三五円
一四節へ 六、五一五円、二〇節へ 七一〇円
二五節へ 一二、六五〇円
      24、工事請負費 一二、六九〇、〇〇〇 一二、六九〇、〇〇〇 織笠漁港災害復旧工事
      25、備品費 五八、一五〇 五八、一五〇 測量器械、写真機及書架等購入代
二三節より 一二、六五〇円
三三節より 一、〇〇〇円流用
      33、保険料      
6、津波災害応急対策費   一、一七七、七〇〇   一、一七七、七〇〇 一、一七七、三一八  
  1、道路橋梁費 六一九、四〇〇 4、旅費 一六、〇〇〇 一五、九二〇 職員出張旅費
      9、賃金 三二、四〇〇 三二、三七〇 運転手、土砂除去臨時人夫賃
      11、消耗品費 一〇、八〇〇 一〇、七六八 感光紙等消耗器材代
      12、燃料費 四三、九〇〇 四三、八〇三 自動車ガソリン代
      14、印刷製本費 一八、五〇〇 一八、四九〇 現場写真焼付現像、その他印刷代
      16、通信運搬費 二九、二六八 二九、二四五 空俵等運搬費二六節へ 三二円流用
      26、原材料費 四六八、五三二 四六八、五三二 ヒューム管、空俵木材等原材料代
一六節より 三二円流用
  2、河川費 三八七、一〇〇 11、消耗品費 九、七〇〇 九、六八〇 フイルム等消耗品代
      14、印刷製本費 一三、三〇〇 一三、二四五 現場写真現像焼付地図印刷代
      26、原材料費 三六四、一〇〇 三六四、一〇〇 叺、空俵、ヒューム管代
  3、港湾費 一七一、二〇〇 11、消耗品費 三、七〇〇 三、六九〇 感光紙及フイルム代
      14、印刷製本費 一〇、〇〇〇 一〇、〇〇〇 現場写真現像焼付地図印刷代
      26、原材料費 一五七、五〇〇 一五七、四七五 空俵及縄代
(6)社会及び労働施設費   四、〇四一、九六六   四、〇四一、九六六 四、〇四一、九六六  
7、災害救助費 2、扶助費 一、八〇〇、四〇一 39、扶助費 一、八〇〇、四〇一 一、八〇〇、四〇一 津波罹災者見舞金 一、三二四、〇〇〇円
津波救援用米代 四一二、三〇九円
津波救援用味噌醤油代 六四、〇九二円
8、住宅費 6、津波災害応急対策費 二、二四一、五六五 4、旅費 三、七〇〇 三、七〇〇 職員旅費二四節へ 三、六〇〇円流用
      11、消耗品費 一、九二〇 一、九二〇 フイルム及地図代
二四節へ 一、四八〇円流用
      14、印刷製本費 一七、九四五 一七、九四五 災害現場写真現像焼付料
二四節へ 五五円流用
      24、工事請負費 二、二一八、〇〇〇 二、二一八、〇〇〇 災害公営住宅復旧各種工事代
四節より 三、六〇〇円、一一節より 一、四八〇円
一四節より 五五円、
二目二三節より 一二、八六五円流用
(7)保健衛生費   一、五六〇、七〇〇   一、五六〇、七〇〇 一、四六四、三三八  
10、津波災害応急対策費   一、五六〇、七〇〇   一、五六〇、七〇〇 一、四六四、三三八  
  1、消毒方法費 五二七、八三五 9、賃金 三三、〇〇〇 三三、〇〇〇 消毒人夫賃
      11、消耗品費 七、五〇〇 七、五〇〇 消耗器材代
      16、通信運搬費 四、五〇〇 四、五〇〇 船賃、電話料、ハガキ代
      22、委託料 二九五、四三五 二一五、六九三 伝染病患者委託料
三目二六節へ 三六、五六五円流用
      25、備品費 二八、〇〇〇 二八、〇〇〇 消毒用フンム機用
      26、原材料費 一五九、四〇〇 一五九、四〇〇 消毒用薬品代
  2、そ族昆虫駆除費 二三五、三〇〇 9、賃金 四六、五〇〇 四六、五〇〇 消毒人夫賃
      12、燃料費 一〇、〇〇〇 一〇、〇〇〇 ガソリン代
      20、借料及損料 四、〇〇〇 四、〇〇〇 船、自動車借上料
      26、原材料費 一七四、八〇〇 一七四、八〇〇 消毒用薬品代
  3、汚物処理費 五二二、五六五 9、賃金 四四、五九〇 四四、五九〇 塵芥収集及焼却人夫賃
二六節へ 四一〇円流用
      11、消耗品費 六、〇〇〇 六、〇〇〇 重油代
      20、借料及損料 七五、〇〇〇 七五、〇〇〇 自動車借上料
      22、委託料 六五、〇〇〇 六五、〇〇〇 し尿処理委託料
      25、備品費 一五、〇〇〇 一五、〇〇〇 農用フオーク、熊手等備品代
      26、原材料費 三一六、九七五 三一六、九七五 糞尿貯溜槽用セメント及鉄筋代
九節より四一〇円流用
一目二二節より三六、五六五円流用
  4、臨時清潔方法費 二五五、〇〇〇 9、賃金 二四、〇〇〇 二四、〇〇〇 消毒人夫賃
      20、借料及損料 二五、〇〇〇 二五、〇〇〇 自動車借上料
      25、備品費 五五、〇〇〇 五五、〇〇〇 消毒機代
      26、原材料費 一五一、〇〇〇 一五一、〇〇〇 消毒用薬品代
  5、衛生諸費 二〇、〇〇〇 13、食糧費 一〇、〇〇〇 三、三八〇 救護班等賄料
      26、原材料費 一〇、〇〇〇    
(8)産業経済費   六、〇〇一、七〇〇   六、〇〇一、七〇〇 五、九九四、五二四  
9、津波災害応急対策費   一、六九五、四〇〇   一、六九五、四〇〇 一、六八八、二五四  
  2、除塩事業費 一、〇〇四、八〇〇 9、賃金 八〇六、〇〇〇 八〇六、九六六 臨時人夫賃
      11、消耗品費 八、二〇〇 八、一二〇 感光紙、設計書等消耗品代
      14、印刷製本費 六、二〇〇 六、一一五 諸用紙等印刷代
      16、通信運搬費 一二、九〇〇 一二、八八〇 石灰等運搬費
      20、借料及損料 七、一〇〇 七、〇九二 オートバイ借上料
      26、原材料費 一六四、四〇〇 一六四、三六〇 石灰代
  3、苗代設置費 一七四、四〇〇 16、通信運搬費 一二、五〇〇 一二、〇〇〇 応急苗、種もみ、運搬料
      20、借料及損料 二八、〇〇〇 二七、七〇〇 自動車及苗代ほ場借上料
      26、原材料費 一三三、九〇〇 一三三、七三〇 種もみ、ポリエチレン代
  4、稲苗対策費 三九九、三〇〇 13、食糧費 一九、五〇〇 一九、二五〇 救援苗輸送班等賄料
      16、通信運搬費 三七九、八〇〇 三七九、六四四 救援苗輸送運賃
  5、農業施設費 六七、〇〇〇 9、賃金 八、八〇〇 八、八〇〇 測量及筆耕臨時人夫賃
一四節へ 七、二〇〇円流用
      13、食糧費 五、五七五 五、四六〇 弁当等代一四節へ 四二五円流用
      14、印刷製本費 二二、六二五 二二、六二五 諸用紙印刷及現場写真代
九節より 七、二〇〇円
一三節より四二五円流用
      20、借料及損料 二〇、〇〇〇 一八、七一二 自動車借上料
      26、原材料費 一〇、〇〇〇 六、三七五 感光紙、杭、フルム代
  6、畑作対策費 四九、九〇〇 16、通信運搬費 二、五〇〇 二、〇二五 大豆種子運賃
      26、原材料費 四七、四〇〇 四七、四〇〇 大豆種子代
10、津波災害復旧事業費   四、三〇六、三〇〇   四、三〇六、三〇〇 四、三〇六、二七〇  
  1、農地災害復旧事業費 八一三、〇〇〇 9、賃金 四五六、五〇〇 四五六、五〇〇 現場監督補助員及工事人夫賃
予算繰越 二九一、〇〇〇円
      11、消耗品費 九、五〇〇 九、五〇〇 諸用紙代
予算繰越 七、〇〇〇円
      14、印刷製本費 八、〇〇〇 八、〇〇〇 用紙印刷代
予算繰越 五、〇〇〇円
      16、通信運搬費 三三三、〇〇〇 三三三、〇〇〇 馬車及自動車借上料
予算繰越 二二五、〇〇〇円
      20、借料及損料 六、〇〇〇 六、〇〇〇 物置借上料
予算繰越三、〇〇〇円
  2、農業用公共施設災害復旧事業費 二、一九三、〇一〇 9、賃金 二一、〇〇〇 二一、〇〇〇 臨時人夫賃
      11、消耗品費 九、七一〇 九、七一〇 フイルム及用紙代
三目九節より 一〇円流用
      14、印刷製本費 九、三〇〇 九、三〇〇 諸用紙及写真現像代
      24、工事請負費 二、一五三、〇〇〇 二、一五三、〇〇〇 柳沢水路 二九五、〇〇〇円
大沢川向堤防 三一七、〇〇〇円
草木道路⑴ 七二〇、〇〇〇円
草木道路⑵ 五二〇、〇〇〇円
草木道路 三〇一、〇〇〇円
  3、雑物除去事業費 一、三〇〇、二九〇 9、賃金 九九九、七九〇 九九九、七六〇 臨時筆耕、監督及作業人夫賃
二目一一節へ一〇円流用
      11、消耗品費 一〇、〇〇〇 一〇、〇〇〇 諸用紙及フイルム代
      14、印刷製本費 一二、〇〇〇 一二、〇〇〇 諸用紙印刷、写真現像代
      16、通信運搬費 二四八、四〇〇 二四八、四〇〇 自動車及馬車運賃
      20、借料及損料 三〇、一〇〇 三〇、一〇〇 詰所、リヤカー、オートバイ借上料
13、諸支出金   一、一四六、〇〇〇   一、一四六、〇〇〇 一、一四三、四三九  
5、津波災害応急対策費   一、一四六、〇〇〇   一、一四六、〇〇〇 一、一四三、四三九  
  1、諸手当 一〇二、八〇〇   一〇二、八〇〇 一〇二、七〇五 職員手当
  2、旅費 二一〇、七〇〇   二一〇、七〇〇 二一〇、六六〇 職員旅費
  3、需用費 八〇〇、五〇〇 8、報償費 一六二、八〇〇 一六〇、七三〇 謝礼金
      9、賃金 一一四、三〇〇 一一四、二九四 臨時人夫賃
      11、消耗品費 九〇、〇〇〇 八九、八八〇 諸用紙等消耗品代
      12、燃料費 五四、二〇〇 五四、一八五 ガソリン代
      13、食糧費 一四八、四〇〇 一四八、三八九 協議会炊出等賄料
      14、印刷製本費 四二、四〇〇 四二、三一五 写真その他印刷代
      16、通信運搬費 七六、六〇〇 七六、五三二 物資運賃及電話郵便料
      18、広告料 一四、〇〇〇 一四、〇〇〇 新聞広告料
      20、借料及損料 三一、二〇〇 三一、一八〇 自動車借上料
      23、修繕料 一一、六〇〇 一一、五六九 備品等修繕料
      25、備品費 五五、〇〇〇 五五、〇〇〇 原動機付自転車代
  4、負担金 三二、〇〇〇 32、負担金補助及交付金 三二、〇〇〇 三二、〇〇〇 津波対策協議会負担金

昭和35年チリ地震津波災害復旧決算

歳出(昭和35年度特別会計上水道決算)

昭和35年度特別会計上水道決算の歳出の表
款項 予算額 予算額 支出済額 附記
(5)諸支出金   七一〇、〇〇〇   七一〇、〇〇〇 七〇九、六四〇  
1、津波災害応急対策費   七一〇、〇〇〇   七一〇、〇〇〇 七〇九、六四〇  
  1、旅費          
  2、需用費 九二、四〇〇 9、賃金 一四、三〇〇 一四、二二〇 災害復旧工事
      11、消耗品費 九、八〇〇 九、七五五 消耗品代
      12、燃料費 一六、六〇〇 一六、五八〇 重油並木炭代
      13、食糧費 三〇〇 二三〇 賄料
      14、印刷製本費 一、六〇〇 一、五七五 フイルム現像焼付代
      25、備品費 四九、八〇〇 四九、七五〇 バッテリー四台、雨合羽二着
検定器二台、その他
  4、維持修繕費 一〇七、六〇〇 23、修繕料 一〇七、六〇〇 一〇七、五三〇 共用栓、電動機、メーター等修理
  5、工事費 五一〇、〇〇〇   五一〇、〇〇〇 五一〇、〇〇〇 山田水源地復旧工事費

(九)、広報「やまだ」――津波対策あれから一年

津波対策をめぐって

昭和30年一町四ケ村の合併をなしとげ、二万五千の町民は大きく飛躍発展する町の未来の設計図を夢に見ました。

あの日から六年、31年には財政再建団体に指定され当初七ケ年の計画は五ケ年に短縮して新しい町づくりに町民はそれぞれの職域の中から努力したのであります。35年5月には全国優良町として表彰され晴れの金字塔をうちたてたのでありますが、その24日には突然襲来したチリ津波に遭遇、山田町政史上最大の試練といわれたその中でも最初に予定された新町建設の事業を縮小することなく加えて津波対策事業も併行して実施して来ました。そして36年度に至っては再建団体から脱却自主財政に復帰し着実にその成果をあげつつありますことは喜びにたえないところであります。今月24日はあの日から一年を迎えることになりますがこれを機会に山田町の津波対策のあれこれをめぐって色々考えて見たいと思います。

救援と住宅復興

民生安定の関係

本町では一番関心を寄せた直接被災者の生活にひびく住宅の問題と今日からの食糧には関係者が頭を悩ませたのです。津波当時災害救助法により食糧は一応二日分配給するよう指示がありましたが、本町においては人心の安定を図るためにも米だけは充分配給しなければならないという佐藤町長の断で当初他地区より三日分も多く五日分の配給したのであります。ただ山田の上水道は、揚水ポンプ用モーターが浸水により使用不能となり、この給水の面では不便をかけたのでありますが、自衛隊による給水と28日は新しい揚水用ポンプを六十万で購入据え付けております。

ただ本町に於ては赤痢の追い打ちまでかけられ被災後三、四日後から織笠、山田、大沢と散発し、患者十三人を出したが直ちに山田病院に収容し防疫活動が敏速に行なわれたのでまん延を防ぐことができました。

災害救助法による住家を失った者へ建ててやる応急仮設住宅四十三戸また修理五十五戸で次に災害公営住宅六十五戸となり災害復興住宅は建設、修理と現在まで一五〇戸をかぞえております。この災害公営住宅は近く入居者を選考することになっており、この広報が皆さんの御手許に届くころは災害を受けた方で条件にあてはまる人は新しい災害復興住宅に入居できると思います。また36年度においては公営住宅二十戸また災害住宅六戸の建設内示がありそれに本年度町が別に計画中の庶民住宅と住宅に対する対策に明るい見通しとなっております。

また津波による生活扶助の保護を受ける人々は災害後で〇・六%の増で殆んど変化がなく激甚地であった織笠地区に於てはむしろ二・四八%減となっております。これは災害のために特に困ったという人がなかったといえばそれまでですが、実は大変皆さんが困ったのでありますが、町の応急救助と全国各地の沢山の人々から寄せられた見舞のお金や品物と、やさしいはげましの言葉を送って下さった人々の蔭の力があったのです。しかし多くの人の中には災害が原因となってお困りになっている人もあるわけでそれらの人々は遠慮せず御相談願いたいと思っております。世帯厚生資金あるいは医療費貸付資金等民生委員の方に相談すれば資金の問題もなんとかなります。町と町社会福祉協議会では昨年十月より主として生活問題を取扱う心配ごと相談所を毎月次の日程で行って成をおさめております。

毎月十日 山田公民舘

〃十三日 織笠公民舘

〃十五日 大沢公民舘

〃二十日 大浦診療所

〃二十五 日豊間根支所

〃三十日 船越支所

皆さんが相談にお出でになるのを係では待っております。本町民生委員の活動は他町村より活発に行なわれこの力が災害後の山田町の民生安定にどれだけ貢献したかわかりません。民生委員の方々にはただ敬服のほかありません。

防災山田町をめざして

本町の被害 河川、道路、漁港、耕地と合せて三十数カ所におよびこれの復旧については関係当局の働きかけにより、公共土木施設災害復旧に関する特別措置法の立法により原形復旧から改良復旧へとその事業量も増大し津波災害対策特別措置法により本町の防波堤などが高率補助で実施される又津波対策による各地区の防波堤等は平均の高さ四メートルのものを構築する。他に本町関係の防災構想は別表のとおり。総額に於て六億四千万にもおよぶ工事になっております。然しこの場合でも35年事業、又は二カ年継続事業もあり現在のところ未着工の地域もありますがこれら全部の工事が完成すれば一応防災山田町づくりの基礎が出来上ります。これらの事業につきましては国及び県からそれぞれ係官が来町して良く現地調査を行って工事は進められておりますが、用地の買収又は家屋移転等の賠償等色々な対内外的な利害関係が出て来るのでこれらのことについては町としては良く関係者との話し合いを今後も続けて行きたいと思っておりますので可愛いい児孫にこのような惨禍を繰返えさせない為にも関係皆さんの特に用地に対しての深い御協力を希ってやみません。

水産関係

垂下したばかりのかき棚一四六一台、定置漁具の流失二七カ統、ノリ三、七三三張、漁船、動、無動力船四九〇隻等約五億に及ぶ被害を受けており、復旧見込のない山田町組合倉庫、工場桟橋等金額に於て七百万余を残して一応全部復旧しております。

農業関係

海水をかぶった水田は本町では六十ヘクタールでこれについては徹底的な水のかけ流し等を行い枯れた苗の応急には内陸部から一三万把が届けられております。又再仕立苗代、種子籾、代作用大豆類の対策には約一〇〇万円の費用をかけております。他に別表のとおり農業施設復旧二三二万、農地復旧八一万、雑物除去一二四万、除塩に九六万等、合計に於て一、〇〇〇万の費用がかけられております。

県に対する第一報は

あの日、本町の有線通信は完全にめちゃめちゃに切断され、県に対する救援要請の方法がなく思案にあまっていたところ大釜崎ロラン局の森局長が見舞に訪れ、ロラン局の無線を使用して下さいと言うことになり本町から県に対する救援要請の第一報「午前六時現在大津波三回目被害人家全かい流失一五〇戸死傷者一名非住家全かい流失七〇戸漁業施設全滅緊急救援をたのむ」要請電報は七時四十五分大釜ロラン局―茨城県波崎局―銚子海上保安部―横浜海上保安部―東京海上保安本部―塩釜海上保安部―宮城県警察本部―岩手県警察本部―県庁と順々中継され三六分の短時間で県庁に到着して県で山田町の被害の大きさがわかったと言うことです。

その後有線通信が復旧するまで二報、三報と本町の救状を伝える連絡はこのような方法でなされたのです

地域計画をたてよう

県総合開発局はチリ地震津波の恒久対策をたてるため東北開発研究会に調査を委嘱、その結果次のような調査報告がなされております。

△地域計画をたてよ

一つの地域に規模の大小はあれ、住宅地、商業地、工業地、耕地、草地、林地、砂地がある。これを適正な配置によって最少限にとどめることが出来る。

△防波堤をくふうせよ

今回の津波では防波堤だけで津波を防いだ例はない、もっと研究して津波に破壊されない防波堤が必要である。

△河川工事もくふうせよ

津波の被害をうける集落は例外なく川にのぞんでいる津波は川にそって、かなり奥までさかのぼる。したがって堤防が完全であれば誘導によってエネルギーを殺すことができるが、不完全だと一点に集中して破壊作用を営む、河川の低水工事高水工事とにらみ合わせて総合的な計画する必要がある。

△岩壁にも波返しをつけよ

津波に直接さらされる場所でも波返しをつけることによって、エネルギーを減殺することができる。

△耐浪建築物をつくれ

被害地で流されたのは貧弱な建物が多く、反面、木造でもびくともしないものがある、これはボルトじめし基礎のしっかりしたものにする必要がある。

△底質を調査せよ

海底の底質はノリやカキなど、沿岸漁業に密接な関係がある。津波で底質が変化したことが予想されるから調査して対策をたてる必要がある。

△ノリ網、カキだなをくふうせよ

従来のノリ網は、波の進行方向に無関係に張られたところもあるが、津波、高潮によって破られないよう、波に直角に張る必要がある。またカキだなは、従来土のほうでつないであるが、これをイカリに変える必要があろう。

△研究機関の整備

世界的に有名な津波襲来地に、津波研究所をつくることは重大な使命である。ここでは、あらゆる角度から研究が積まれなければならない。

このようになされて来た対策事業について町民の方々はどのような考え方をもって見ているか次の方から寄稿してもらいました。

一九六〇年五月二十四日早朝忘れようとしても忘れることの出来ないチリ地震津波の襲来である。僅か数十分の間に家屋は倒れ、流され忽ちのうちに見るも無惨な形に変ってしまった。私達の農協も事務所は破壊され、室内の重要書類は押し流され何一つなく失い加えて倉庫は五棟一〇一坪を全部流失いたしました。あれから一年、組合員一同の御協力と各地区の農業団体よりの強力なる御援助により着々復旧に努めて参りました。もしあの様な惨害の跡も気候恵まれたとはいうものの一把々々に送られた救援苗の御蔭で見事な実りを見る事の出来ました事はそれぞれの機関の苦労と産地農家の方々の御同情の賜と深く感謝せずにはおられませんが、反面災害地農家の方々が必ず実らして見せるという強い意志の反映だったとも思はれます。

現在河川や港湾の復旧事業が行なわれておりますが、復旧事業の内私達の関係の中で今後是正していただきたいと思はれる事は流失した農協の倉庫は、「共同利用施設災害復旧事業補助要項」により補助の対象となるのでありますが農協の倉庫の復旧費には二割、漁協の倉庫の復旧費には九割という補助額の差のある事であります。

これにはいろいろの法律でその様になるのでありますが、同一場所で然も被害の大きかった方が補助率が悪いという事にはどう考えても理解に苦しむのであります。しかもその二割というのは復旧費の二割でなく流失前の倉庫の償却年数を差引き残存年数に対しての二割ですから実質的には一割にもならない計算となりそれに復旧倉庫は総て二級建築士以上の建築士による設計図や仕様書が添付書類として提出しなければならないし、災害当時の写真や完成後の写真等文書の往復だけでも五回も六回もするという複雑さであります。事実査定に来た大蔵省や農林省の事務官達も事情はよく分るが止む得ませんと云うだけでした。この様な現地の事情をもっと受入れて貰える様な弾力性のある法律に変えていただきたいと思います。これは私の仕事の一部に過ぎませんが被災者の方々もそれぞれの不満もあった事と思いますが、かくまでに復旧出来た事は被災者の方々の並々ならぬ努力の結果でありますが、被害を受けられない方々の献身的な御協力と感謝いたします。

織笠農協参事 佐々木良治氏

編集室から

津波特集号を計画しましたが帯に短かし、たすきに長し、そして又編集の不注意から発行日がおくれたことを御許し下さい。

チリ津波災害復旧(土木関)係事業のあらまし

チリ津波災害復旧(土木関)係事業のあらましの図

(広報やまだ36.5.1)

津波対策工事94%完成

その他は、来年中に終わる

昭和三十五年チリ地震津波により本町の受けた被害は、住家二億五千三百万円を筆頭に水産被害、商業、農業、土木農道など公共施設、工業など十億二百二十万円になりました。あれから五年過ぎましたが、災害対策事業は順調にすすみ、原形復旧から改良復旧へと「郷土の経済発展を前提とした新らしい都市計画のなかで津波をはねかえそうという積極的なものであります」これにより山田町の防備対策は、建設省、農林省関係などあわせて六億四千二百万余円というぼう大な事業費となったわけです。

▽水産庁関係△

大沢漁港防浪堤一千五百九十五メートル、山田漁港防浪堤四百七十メートル、織笠漁港防浪堤五百五十八メートル、船越漁港防浪堤四百五十五メートル、大浦漁港防浪堤七百七十五メートルで、これに要する事業費四億二千五十万円、このうち織笠、船越漁港は完成し、他はいずれも昭和四十一年度までに完成することになっています。

▽建設省関係△

関口川津波対策事業右岸堤防六百九メートル、左岸六百三メートル、織笠川右岸堤防七百メートル、左岸一千三百二十メートル、南船越堤防五千二百二十五メートルで建設省関係の事業費は一億六千八百八十万円、このうち南船越は完成しております。

▽農林省(耕地保全)△

浦の浜防波堤四百メートル、大浦防波堤二百三十メートル、浜川目防波堤七百五十メートルでこの総事業費一億一千百万余円となっており、浦の浜、大浦が完成しています。

このように津波対策事業は関係者の努力により水産庁関係九六%、建設省関係九〇%農林省関係九一%となっており全体で九四%の完成ということになるわけです。

これらの工事のおくれている地域では一日も早い工事の完成を訴えております。しかし関口川津波対策工事のように用地関係者の協力がえられずおくれているところもあります。私たちはこのようなことが円満に解決し、工事が早く完成し、防災の町山田が新しく誕生することを祈りたいものです。

(広報やまだ 四十、十二、一)

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0193-82-3111
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